著者
寺田 惇郎 平田 輝満 清水 吾妻介 屋井 鉄雄
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.I_1205-I_1218, 2012 (Released:2013-12-25)
参考文献数
18

今後の空港計画において航空機騒音は依然重要な検討要素で,首都圏空港では今後の容量拡大を検討するうえで騒音負担のあり方を十分に議論することが必要不可欠となる.一方で従来から市街地上空を飛行しながら発着している福岡空港では滑走路増設による容量拡大計画が検討されている.本研究では,福岡空港周辺住民を対象に質問紙調査およびヘッドホン面接調査を並行して行い,航空機騒音への受容意識に関わる要因構造の把握を試みた.質問紙調査では,航空機騒音への受容意識には騒音の直接的影響だけでなく,空港アクセス利便性重視意識等も影響を及ぼしていることを明らかにした.ヘッドホン面接調査では,これまで十分に考察されてきたとは言い難い個人ごとの屋内騒音レベルや騒音への敏感さが騒音への不快感に与える影響について考察した.
著者
平田 輝満 清水 吾妻介 屋井 鉄雄
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.67, no.5, pp.67_I_1011-67_I_1022, 2011 (Released:2012-12-28)
参考文献数
13

首都圏空港の容量は,国際需要の継続的な伸びや小型機による多頻度運航化などを考慮すると長期的にみた場合未だ十分とは言えない.羽田空港再拡張後は4本の滑走路が井桁状の配置となり,飛行経路が複雑に交差する.その状態から新たな5本目の滑走路整備によるさらなる容量拡大を考えると,既存の滑走路との運用従属性が必ず生じるため,通常期待される追加滑走路1本による容量拡大効果が実現しない可能性が高い.また現状の空域スペースを考えると追加的な飛行経路を引くことは容易ではなく,現在は基本的に使用していない東京等の内陸上空空域の活用も必要になると考えられる.本研究では首都圏空港の将来的容量拡大の可能性について,羽田空港の第5滑走路整備による容量拡大の可能性と騒音影響について定量的な検討を行った.
著者
清水 吾妻介 平田 輝満 屋井 鉄雄
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.851-862, 2010
被引用文献数
1

将来首都圏空港容量が不足する可能性に備えた長期的な視点での検討として,東京湾内において再拡張後の羽田と独立に運用することができる新滑走路整備の可能性について,羽田再拡張後の飛行経路および環境制約を前提に飛行方式設定を中心とした技術的な検討を行った.その結果,羽田からの離陸初期段階で比較的低高度での水平飛行などの条件が必要ではあるものの,海ほたるから木更津沖周辺でD滑走路と平行な新滑走路か,または,都心からやや距離があるものの,観音崎付近でA, C滑走路とほぼ平行な独立新滑走路を配置することが可能であることが分かった.更に可能配置例の必要航法精度や既存経路と環境への影響等について比較評価を行った.