著者
清水 耕一
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

フランスの法定労働時間は雇用創出のために2000年から週35時間に短縮されたが,右派政権は左派政権の雇用政策を否定し,2003年以降に長時間労働を促進する諸法を制定した。本研究は企業規模別超過勤務時間データの検討,金属産業とルノー,プジョー,トヨタ・フランスの労使間協定と労使関係を調査検討し,右派政権の諸法が実効性を持たなかったことを明らかにした。35時間労働制が維持された原因は,35時間労働制への移行交渉によって労使間の信頼関係が生まれると共に,企業が労働時間編成のフレキシビリティーを獲得したことにあった。