著者
清水 雅彦
出版者
環太平洋産業連関分析学会
雑誌
産業連関 (ISSN:13419803)
巻号頁・発行日
vol.1, no.3, pp.58-65, 1990
被引用文献数
1

東京という巨大都市には, ざまさやまな機能が集積している。なかでも,企業経営組織において中枢的役割を扱う本社事業所とその活動の集中は,巨大都市東京の日本経済における機能と役割を特徴づけている。このような巨大都市東京の産業構造と経済循環を産業連関表によって記述することが,東京都産業連関表作成のねらいである。そのためには,従来の産業連関分析理論の枠組と表章形式の検討を返して新たに各産業における本社活動部門を設定しなければならない。本社活動部門の設定は巨大都市東京における経済機能の一極集中に新たな分析視点をもたらす。
著者
新井 益洋 石田 孝造 桜本 光 清水 雅彦
出版者
環太平洋産業連関分析学会
雑誌
産業連関 (ISSN:13419803)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.57-69, 1994
被引用文献数
3

東京都の産業構造は,日本の本社の約50%が集中し,その本社に必要な対事業所サービス,金融・保険等のサービス化が進んでいる。また本社の就業者は135万人に達する。そして本社活動,サービス,財の生産に,毎日通勤者として都外から250万人流入し従事している。このように他の地域とはきわめて異なる東京経済を,雇用と本社活動の面から分析し,東京一極集中の分析視点からの試論として,本社移転のシミュレーションを行なった。経済効率の点からは,本社移転は非効率的である。