著者
渡辺 岳夫
出版者
日本管理会計学会
雑誌
管理会計学 : ⽇本管理会計学会誌 : 経営管理のための総合雑誌 (ISSN:09187863)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.35-55, 2019-03-31 (Released:2019-05-15)
参考文献数
54

アメーバ経営システムを導入する企業が近年増加している.しかし,それらの導入企業の中には,短期的にその運用を中止ししてしまう企業も少なくない.その中止の原因を解明するためには,アメーバ経営システムを継続的に運用している企業と比較的短期で中止してしまった企業において,部門別採算制度の諸側面がアメーバのパフォーマンスに及ぼす影響メカニズムに相違があるかどうかを明らかにすることは非常に重要である.本研究において多母集団同時分析を実施した結果,その影響メカニズムは継続企業と中止企業の間で概ね同様であることが分かった.比較的短期間でアメーバ経営システムを中止してしまうぐらい運用中に問題が生じていた状況でも,当該システムは一定の効果をもたらしていたのである.以上のファインディングスにより,その中止原因は,得られた効果を上回る負担感や不満の存在,あるいは効果の絶対量を抑制する何らかの要因の存在である可能性が高いことが示唆された.
著者
林 明宏 和田 康孝 渡辺 岳志 関口 威 間瀬 正啓 白子 準 木村 啓二 笠原 博徳
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌コンピューティングシステム(ACS) (ISSN:18827829)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.68-79, 2012-01-27

汎用CPUコアに加え特定処理を高効率で実行可能なアクセラレータを搭載したヘテロジニアスマルチコアが広く普及している.しかしながら,ヘテロジニアスマルチコアでは様々な計算資源へのタスクスケジューリングやデータ転送コード挿入等多くをプログラマが記述する必要があるためプログラミングが困難である.そこで本論文では,逐次プログラムを入力とし自動並列化コンパイラを用いることで自動的に汎用コアとアクセラレータコアにタスクを配分し,高い性能および低消費電力を実現可能なソフトウェア開発フレームワークを提案する.本手法はアクセラレータコンパイラやアクセラレータライブラリ等既存のアクセラレータ開発環境を有効に利用可能である.本フレームワークを情報家電用ヘテロジニアスマルチコアプロセッサRP-Xをターゲットとして,アクセラレータライブラリを使用し,AACエンコーダおよびOptical Flow計算の自動並列化性能および消費電力を評価した.その結果,8つの汎用CPUコアおよび4つのアクセラレータコアを使用した場合,逐次実行時と比較してOptical Flow計算で最大32倍,AACエンコーダで最大80%の電力を削減可能であることを確認し,ヘテロジニアスマルチコアを対象とした汎用的なコンパイラフレームワークを実現した.There has been a growing interest in heterogeneous multicores because heterogeneous multicores achieve high performance keeping power consumption low. However, heterogeneous multicores force programmers very difficult programming. In order to overcome such a situation, this paper proposes a compilation framework which realizes high performance and low power. This paper also evaluates processing performance and the power reduction by the proposed framework on RP-X processor. The framework attains speedups up to 32x for an optical flow program with eight general purpose processor cores and four DRP (Dynamically Reconfigurable Processor) accelerator cores against sequential execution by a single processor core and 80% of power reduction for the real-time AAC encoding when we utilize an existing accelerator library.
著者
渡辺 岳夫
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

代表的なマイクロ・プロフィットセンター・システムであるアメーバ経営システムの会計情報上の特性ならびに運営方法上の特性が,当該システム導入企業の従業員の自己効力感,チーム効力感,および自律的動機づけにポジティブな影響を及ぼし,それらの心理的構成概念を通じて,チーム内・チーム間のインタラクションを生起させしめ,最終的にチームのパフォーマンスを促進していることを明らかにした。