著者
渡辺 幸雄 綾野 雄幸
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
栄養と食糧 (ISSN:18838863)
巻号頁・発行日
vol.25, no.8, pp.621-625, 1972-12-01 (Released:2010-02-22)
参考文献数
17
被引用文献数
1 2

リノール酸およびラードに対して, 各種アミノ酸の抗酸化性ならびにα-トコフェロールに対する各種アミノ酸の相乗性について検討した。1) アミノ酸の抗酸化性はリノール酸とラードでは差異が認められた。前者に対してはヒスチジン, スレオニン, メチオニン, ヒドロキシプロリン, トリプトファンおよびアルギニンに, 後者に対してはトリプトファン, メチオニン, フェニールアラニンおよびロイシンに比較的強い抗酸化性が認められた。2) α-トコフェロールに対する各種アミノ酸の相乗効果は用いたすべてのアミノ酸に認められた。リノール酸では, 抗酸化性の強いアミノ酸, すなわちヒスチジン, スレオニン, メチオニン, トリプトファンおよびアルギニンは相乗効果も強いという結果が, またラードでは, そのような傾向は認められず, メチオニン, プロリンおよびロイシンに強い相乗効果が認められた。3) ラードに対しアミノ酸の添加量を3×10-3Mに増加しても, リノール酸での場合ほど相乗効果をもたらさなかった。これはラードに対するアミノ酸の溶解度が非常に小さいためと考えられる。
著者
渡辺 幸雄 猿丸 仁美 嶋田 典司
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学園芸学部学術報告 (ISSN:00693227)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.37-43, 1983-12-25

134種の植物についてウレアーゼ活性を調べた結果,大部分の植物でその活性が検出された.活性がもっとも高かったものはナタマメであった.ウレアーゼ活性が検出されなかった植物でも,生育環境が異なると活性を発現するものもみられ,まったくウレアーゼが存在しない植物があったとはいいきれないと思われる.供試植物を草本と木本とに分けて比較すると,草本の方が高いウレアーゼ活性を示す傾向にあった.ウレアーゼ活性が検出されなかったシコロベンケイに尿素を与え,その同化を検討したところ, Niの存在下でのみウレアーゼ活性の上昇が認められた.