著者
嶋田 典司 住吉 雅己 豊田 正司 佐藤 幸夫 小島 道也
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学園芸学部学術報告 (ISSN:00693227)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.65-73, 1974-03-15

国道6号線沿線の松戸市戸定地区および柏市豊町地区の土壌ならびに植物のPb, Zn, Cdによる汚染状況を調査し次の結果を得た.1.道路に近接した地点における土壌中のPbおよびZn含有率は顕著に高く,Cdについても一部地区で同様の傾向が認められた.また植物中のPb, Zn, Cd含有率はいずれも道路に近接した地点において高く,道路を中心に汚染が拡がっている状況が認められた.2.土壌中(表土)の重金属類の含有率は気象条件および季節によって変動した.変化の幅は道路に近い地点ほど大きかった.3.植物中のPb, ZnおよびCd含有率の変動は植物の種類によって異なったが,セイタカアワダチソウにおいては経時的に含有率が増加する傾向があった.4.下層土の各重金属含有率は表層土よりもかなり低かったが,道路に対する位置の関係については表層土と同様の傾向が認められた.
著者
小島 道也 嶋田 典司 廣保 正 綾野 雄幸 小倉 長雄 矢吹 稔 駒形 和男
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.395-398, 1987

高農対談始まって以来初めてのことでありますが,農芸化学各講座の先生方6名全員御出席で行われた座談会は,従来とまた変った内容となりました.しかも御一人を除いては全員母校OBというためか,何やら同窓会に列席させていただいているようで,先生方の和気藹々たる雰囲気の中で恩師の想い出,戦時下の学生生活,松戸の昔話しなど話題は尽きることなく続きましたが,紙面の都合上そのすべてを再録できなかったのは残念です.そのため先生方の中には,御発言のごく一部しか載らないという不公平も生じておりますが御容赦下さい.<br> 座談会の準備に御尽力賜った矢吹先生に心から御礼申し上げます.(編集部)
著者
渡辺 幸雄 猿丸 仁美 嶋田 典司
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学園芸学部学術報告 (ISSN:00693227)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.37-43, 1983-12-25

134種の植物についてウレアーゼ活性を調べた結果,大部分の植物でその活性が検出された.活性がもっとも高かったものはナタマメであった.ウレアーゼ活性が検出されなかった植物でも,生育環境が異なると活性を発現するものもみられ,まったくウレアーゼが存在しない植物があったとはいいきれないと思われる.供試植物を草本と木本とに分けて比較すると,草本の方が高いウレアーゼ活性を示す傾向にあった.ウレアーゼ活性が検出されなかったシコロベンケイに尿素を与え,その同化を検討したところ, Niの存在下でのみウレアーゼ活性の上昇が認められた.
著者
嶋田 典司 矢島 聡 渡邊 幸雄
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学園芸学部学術報告 (ISSN:00693227)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.15-21, 1988-03-18
被引用文献数
3

水生シダであるオオサンショウモを用いて下水二次処理水及び富栄養化された湖沼の水から栄養塩を除去することを目的に基礎的な実験を行い,以下の結果を得た.1)合成培養液を用いた室内実験から,オオサンショウモはpH4から8の広い範囲で生育が可能であることがわかり,植物体が2倍になる時間は4.5日であった.N源ではNO_3-NよりもNH_4-Nをよく吸収し,生育も良好であった.N,Pの吸収量は新鮮重1gあたりNとし23.5〜5mg,Pとして1〜1.5mgであった.2)下水二次処理水を用いた栽培実験では栽培期間中にNO_2-Nが18ppmになったが,オオサンショウモには障害は発生しなかった.処理水中のPが0.1ppmと低濃度の場合でもオオサンショウモの生育は可能であったが,Pを1ppm添加することにより,Nの吸収が増し,添加したPもほぼ吸収しつくした.3)手賀沼の水を用いた実験ではオオサンショウモの生育は10日で約4倍になり,N,Pの濃度低下も顕著であった.以上の結果から,富栄養化された水からの栄養塩の除去にオオサンショウモの利用はきわめて有効であることがわかった.