著者
松本 孝朗 山下 直之 伊藤 僚 樊 孟 稲葉 泰嗣 渡辺 新大
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.69, pp.130_1, 2018

<p> 2020東京オリンピックとパラリンピックが開催される真夏の東京の「高温・多湿」の暑さは、選手はもちろん、観客、スタッフやボランティアにとっても大きな問題であり、熱中症の大量発生も危惧される。【方法】2017年7・8月、東京オリ・パラのマラソンコース(国立競技場⇔浅草雷門)1km毎の21地点に、携帯型WBGT計(黒球式熱中症指数計、タニタ)を設置し、1分毎のWBGTを記録した。時間を横軸に、スタートからの距離を縦軸にとり、18℃~23℃(黄色)、23℃~28℃(褐色)、28℃~31℃(赤色)、31℃以上(黒色)の色スケールでWBGTを表し、「WBGT(時間×位置)マッピング」を作成した。【結果・考察】2017年の東京は涼夏であったが、実測した6日間のうち暑い方の2日においては、午前7時半(スタート予定時刻)~10時のコースほぼ全体が、WBGT28℃~31℃(赤色:熱中症リスク極めて高い、市民マラソン競技を行なってはならない)、31℃以上(黒色:原則運動中止)であった。スタート時刻を1時間繰り上げることで、大きく緩和できることが示された。【結語】スタート時刻の繰り上げを提言したい。</p>