著者
山本 英二 渡邉 匡一 山田 健三 佐藤 全敏 西田 かほる
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

本研究では、これまで荒唐無稽で信憑性に欠けるとして研究対象と見られてこなかった偽文書や由緒書を活用して、近世日本における歴史認識と記憶の問題について取り組んだ。具体的には、長野県木曾郡王滝村御嶽神社を事例に、これまで19世紀以降に展開すると考えられがちであった由緒を、17世紀にさかのぼって分析・検討した。本研究では、従来の研究では手薄であった寺社縁起と由緒の関係に着目して、その由緒を論じた。またアーカイブズ学の方法論を活用して、史料群自体が有する歴史的言説について明らかにした。今回の研究では、戦前・戦後を通じてその全貌が明らかでなかった御嶽神社の古文書整理を完遂することができた。
著者
渡邉 匡一
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

中世後期内陸地域における真言宗寺院の学問状況は、下野国を中心に展開したことが、より明らかとなった。端緒となったのは、醍醐寺乗琳院の俊海の活動である。また、大量の次第からは、さらに広い交流関係が窺い知れる可能性が見いだされた。