著者
渡部 美佳 干場 英弘 落合 弘典 岡島 秀治
出版者
日本昆虫学会
雑誌
昆蟲. ニューシリーズ (ISSN:13438794)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.31-38, 2013-01-05

ハイイロマルハナバチとホンシュウハイイロマルハナバチの室内飼育を行った.成虫の頭幅は,自然巣および飼育巣のいずれも働き蜂・オス蜂ともに0.30-0.39cmの間に集中した.繭数は自然巣においても飼育巣でも巣ごとにばらつきがみられたが,大きさについてはいずれも0.70-0.89cm間に頻度が高かった.これらの結果から,飼育における体サイズの縮小化はほとんど見られなかったと考えられた.飼育下における特徴としては,第一巣室とその後の巣室で産卵・育児習性に大きな違いが見られないこと,営巣期間が他種マルハナバチと比較すると短いことが挙げられた.また,ホンシュウハイイロマルハナバチでは働き蜂数が少なくても生殖虫の生産が可能であることが明らかとなった.