著者
伊藤 真 見越 大樹 源田 浩一
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J107-B, no.1, pp.23-37, 2024-01-01

ネットワーク内を流れる急激なトラヒックの増減を起因とした輻輳の発生を抑制することは重要な研究課題である.トラヒックエンジニアリングは,このようなトラヒックを制御し,ネットワーク資源を効率的に利用するための技術である.優れたトラヒック制御のためには,複雑な計算を行う必要があり,計算時間の問題を無視することはできない.このような経路設計における諸問題に対して,機械学習技術を適用する研究がある.しかし,従来の機械学習を用いた経路設計法は,拠点間の経路最適化は行える一方で,複数の拠点間を考慮した経路最適化は著しく精度が低下することが分かっている.本論文の目的は,機械学習を用いた輻輳制御のためのネットワーク全体を見通した集中管理型の経路設計法を提案することである.このとき,学習モデルは入力されたトラヒック情報から,全ての拠点間経路全体を出力する必要がある.そこで,本論文では機械学習モデルと教師信号の構成を設計し,実験により性能を評価する.性能評価では,教師信号にDijkstra法を用いて学習し,経路設計成功率と帯域使用率,計算時間,トポロジーの変化に対する汎化性能の観点から,Dijkstra法と比較し,その有効性を示す.
著者
鳴海貴允 吉村康彦 宮坂武志 源田浩一
雑誌
マルチメディア、分散協調とモバイルシンポジウム2011論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.509-514, 2011-06-30

近年,インターネット上での映像配信サービスの普及に伴い,映像トラヒックの増加によるネットワークへの影響が懸念されている.ネットワーク資源を有効活用する方法として,配信サーバを広域に分散配備することやキャッシュサーバの適用,IPマルチキャスト配信など多くの技術が利用されてきたが,従来の手法はトラヒックの急激な増減に柔軟に対応することが困難である.そこで本稿では,ネットワーク状況に応じて負荷分散方式を動的に変更し、ネットワークや配信サーバの負荷を低減する動的負荷分散制御方式について提案し,シミュレーションにより有効性を明確化する.