著者
呑海 沙織 溝上 智恵子
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.2-15, 2011-05-01

大学図書館における学習支援空間に着目し,主として北米で発展した学習図書館からインフォメーション・コモンズ,ラーニング・コモンズまでの学習支援空間の変遷について考察を行った。学習図書館は,学部学生数の急速な増加等を背景に,1950年代より北米で発達した学部学生用図書館であるが財政難を理由に,1970年代半ばをピークに衰退していった。インフォメーション・コモンズは,情報通信技術の急速な発達を背景として1990年代以降普及し,その後,学習支援サービスをワンストップで提供するラーニング・コモンズへと変容しつつある。
著者
溝上 智恵子
出版者
Japan Association for Cultural Economics
雑誌
文化経済学 (ISSN:13441442)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.75-79, 1998-10-31 (Released:2009-12-08)
参考文献数
20

東西冷戦終結後、民族紛争が多発した。こうした現状を踏まえ、近年、アイデンティティや民族意識、エスニシティに関する議論が盛んである。本稿では、自己や他者のイメージ形成という視点から文化ナショナリズムを考え、それと文化施設との関連性について問題提起を行ったものである。ナショナリズムの形成に文化施設、なかでも博物館・美術館の果たしてきた役割を中心に検討し、最後にナショナリズムそのものの変容が指摘される現在、これからの博物館・美術館が果たす役割にも考察した。