著者
石崎 健史 滝広 眞利 高田 治
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.849-850, 1997-09-24
被引用文献数
1

インターネットやイントラネットの急速な普及に伴い, 音声や映像などを扱うマルチメディア・アプリケーションに対する需要が増大している。マルチメディア・アプリケーションでは, 音声や映像などの大量のデータを遅れやばらつきを少なく伝達する必要がある。従来のLAN (Local Area Network)では, 通信帯域が十分でなかったりパケットの伝送方法がいわゆるベスト・エフォート型であるために遅延に大きなばらつきがあるなどの問題があった。これに対しATM (Asynchronous Transfer Mode)などの通信品質保証をサポートする技術をLANに適用することにより, 広帯域かつ複数メディアを統合したバックボーン・ネットワークを実現できるようになってきた。マルチメディア通信を快適に行うためにはATMのようなマルチメディア通信に適したネットワークを導入するだけではなく, ネットワークの共有リソースである通信帯域などを通信に先立って確保しておく必要がある。この問題を解決する目的で, 予約に基づくATMのPVC利用方式なども提案されている。アプリケーションのユーザからみれば, 現在標準化が検討されているリソース予約プロトコルRSVP (Resource ReserVation Protocol)のようなIPレベルのシグナリングプロトコルと連携して動的に回線を確保できることが望ましい。しかし, RSVPなどのリソース予約プロトコルは, 通信開始時点におけるネットワークリソース要求手順を規定しているのみであり, あらかじめネットワーク使用時刻・使用予定帯域などを指定してネットワークリソースを予約しておくことはできない。さらには予約の判断基準となるべきサービスクラス等については標準が確立していないのが現状である。そこで我々は, 時刻情報やネットワークの運用ポリシに基づくネットワーク・リソース予約機能, その実現方式およびサービスクラスに関して検討を行った。
著者
横平 徳美 滝広 眞利 井上 尚子 岡本 卓爾
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:09151885)
巻号頁・発行日
vol.J77-B1, no.3, pp.132-140, 1994-03-25

本論文では,Manhattan Street Network(MS-Net),ShuffleNet(SH-Net)およびShuffle-Exchange Network(SX-Net)を対象にして,う回ルーチング(deflection routing)を行ったときのエンドユーザ間での性能を,シミュレーションによって評価・比較している.まず,ユーザからネットワーク内へのパケットの送出モードとして,新たにSCANモード(ユーザから発生するパケットを適宜選択して送出するモード)を考え,従来のFIFOモード(先着順に送出するモード)との得失を検討している.その結果,三つのネットワークにおいて,どちらの送出モードを用いても,中継バッファの容量が2であれば,無限大のときとほぼ同じ性能が得られること,MS-NetおよびSH-NetにおいてはSCANモードの方が,SX-NetにおいてはFIFOモードの方が優れていることを明らかにしている.次に,三つのネットワークの性能を相互に比較し,ノード数の少ない小規模なネットワークではMS-NetとSH-Netが優れており,大規模なネットワークではSX-NetとSH-Netが優れていることを明らかにしている.