著者
萩野 耕司 矢治 幸夫 篠田 満 滝本 勇治 関野 幸二
出版者
[農林省東北農業試験場]
雑誌
東北農業試験場研究報告 (ISSN:04957318)
巻号頁・発行日
no.91, pp.33-44, 1996-03
被引用文献数
1

北東北地域の転換畑で飼料作物のトウモロコシ・ソルガムと麦類の周年作付体系を対象に,トウモロコシ・ソルガム等の長大型飼料作物の収穫・麦類の施肥・播種を一工程で行う同時作業機を用いて,乾物収量,安定生産性及び省力化について検討した。同時作業機を用いることにより,乾物収量は1年1作対照比136~155,同時作業機を用いない慣行体系比105(トウモロコシ・ソルガム-ライ麦体系)と増収となった。年間最多乾物収量は,トウモロコシ-ライ麦,ソルガム-大麦の2体系で得られた。同時作業機を用いることによって作付期間が延長し,増収効果が認められ,また,作物の安定多収栽培及び他作業との競合の緩和を図ることが可能である。
著者
渡辺 彰 佐藤 博 常石 英作 松本 光人 滝本 勇治
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.9, pp.935-941, 1992-09-25 (Released:2008-03-10)
参考文献数
14

牛の屠殺方法が各種筋肉のpHおよびATP-関連化合物(ATP,アデノシン三りん酸;ADP,アデノシン二りん酸;AMP,アデノシン一りん酸;IMP,イノシン酸;Ado,アデノシン;Ino,イノシン;Hyp,ヒポキサンチン;Xan,キサンチン)の死後変化に与える影響を調べた.子牛9頭を供試し,麻酔処置により筋肉を採取したA区,屠殺時に延髄•脊髄破壊したP区および破壊処理なしに放血のみで屠殺したN区の3区に3頭ずつ分けた.採取した筋肉は胸最長筋(LD筋),大腰筋(PM筋)および大腿二頭筋(BF筋)で,採取後37°Cに保温して,pHおよびATP-関連化合物の経時変化を測定した.pH変化について,LDおよびBF筋では,処理による有意差は認められなかった.PM筋では,極限pHに到達するまで,pH値は,A区,N区,P区の順で高く推移し,屠殺1,3および4時間後では,A区がP区およびN区よりも有意(P<0.05)に高かった.また,ATP-関連化合物の分解程度をKa=(IMP+Ino+Hyp+Xan)/(ATP+ADP+AMP+IMP+Ino+Hyp+Xan)とすれば,PM筋のKaでは,屠殺1時間後でP区がN区よりも有意(P<0.01)に高かった,LD筋では2時間後にP区がN区よりも高い傾向があった.BF筋では,3時間以内で処理間に差異は認められなかった.これらのことよりPM筋は屠殺時の延髄•脊髄破壊の影響を強く受けてATPの分解が進んでいることが明らかとなった.