著者
松原 和夫 外山 聡 佐藤 博 鈴木 洋史 粟屋 敏雄 田崎 嘉一 安岡 俊明 堀内 龍也
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.131, no.4, pp.635-641, 2011-04-01 (Released:2011-04-01)
参考文献数
20
被引用文献数
9 7

It is obvious that pharmacists play a critical role as risk managers in the healthcare system, especially in medication treatment. Hitherto, there is not a single multicenter-survey report describing the effectiveness of clinical pharmacists in preventing medical errors from occurring in the wards in Japan. Thus, we conducted a 1-month survey to elucidate the relationship between the number of errors and working hours of pharmacists in the ward, and verified whether the assignment of clinical pharmacists to the ward would prevent medical errors between October 1-31, 2009. Questionnaire items for the pharmacists at 42 national university hospitals and a medical institute included the total and the respective numbers of medication-related errors, beds and working hours of pharmacist in 2 internal medicine and 2 surgical departments in each hospital. Regardless of severity, errors were consecutively reported to the Medical Security and Safety Management Section in each hospital. The analysis of errors revealed that longer working hours of pharmacists in the ward resulted in less medication-related errors; this was especially significant in the internal medicine ward (where a variety of drugs were used) compared with the surgical ward. However, the nurse assignment mode (nurse/inpatients ratio: 1 : 7-10) did not influence the error frequency. The results of this survey strongly indicate that assignment of clinical pharmacists to the ward is critically essential in promoting medication safety and efficacy.
著者
大橋 弘史 佐藤 博之 國富 一彦 小川 益郎
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会和文論文誌 (ISSN:13472879)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.17-26, 2014 (Released:2014-02-15)
参考文献数
19
被引用文献数
1 5

A new safety concept in a high-temperature gas-cooled reactor (HTGR) was proposed to provide the most advanced nuclear reactor that exerts no harmful consequences on the people and the environment even if multiple failures in all safety systems occur. The proposed safety concept is that the consequence of the accidents is mitigated by the confinement of fission products employing not multiple physical barriers as in light water reactors, but only the cladding of fuel (i.e., the coating layers of the coated fuel particle). The progression of the events that lead to the loss or degradation of the confinement function of the coating layers (i.e., core heat up, oxidation of the coating layers, and explosion of carbon monoxide) is suppressed by only physical phenomena (i.e., the Doppler effect, thermal radiation and natural convection, formation of a protective oxide layer for coating layers of fuel, oxidation of carbon monoxide) that emerge deterministically as a cause of the events. The feasibility studies for severe events and related information revealed that the HTGR design based on this safety concept is technically feasible. This concept indicates the direction in which nuclear reactor research should be headed in terms of safety after the accident at the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant.
著者
時実 象一 井津井 豪 近藤 裕治 鶴貝 和樹 三上 修 野沢 孝一 堀内 和彦 大山 敬三 家入 千晶 小宮山 恒敏 稲田 隆 竹中 義朗 黒見 英利 亀井 賢二 楠 健一 中西 秀彦 林 和弘 佐藤 博
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.54, no.9, pp.555-567, 2011 (Released:2011-12-01)
参考文献数
40
被引用文献数
2

現在海外では科学技術医学分野における主要学術雑誌の論文はほとんどPDFとともにHTMLでオンライン公開されている。これらは内部的には各種SGMLまたはXMLで編集されているが,外部に対しては,ほとんど米国医学図書館(National Library of Medicine: NLM)が策定したNLM DTD(NLM Journal Archiving and Interchange Tag Suite)にしたがったXMLで流通している。しかし日英混在の書誌・抄録・引用文献情報を持つわが国の多くの学術論文は,英語世界で生まれたNLM DTDで適切にXMLで表記することができなかった。筆者らはこのNLM DTDを,日本語を含む多言語に対応できるよう拡張するためのワーキング・グループSPJ(Scholarly Publishing Japan)を結成し,米国のNLM DTDワーキング・グループと連携しながら検討・提案を行った。その結果は2011年3月にNISO(National Information Standards Organization)のJATS(Journal Article Tag Suite)0.4(NLM DTD 3.1が移行)における多言語機能として公開された。本稿では,学術論文におけるSGML,XMLなどマークアップ言語の利用の歴史を振り返るとともに,SPJの活動の経緯,実現したJATS 0.4の概要について述べる。
著者
藤原 省三 佐藤 博 野口 琢矢 長門 仁 尾崎 任昭 菊池 隆一 野口 剛 内田 雄三
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.146-150, 2002-02-20 (Released:2011-05-09)
参考文献数
13

症例は69歳,男性.脳梗塞後遺症のため胃瘻が造設されていた.出血性胃潰瘍のため緊急入院.H2受容体拮抗剤により一時は軽快したが,2カ月後,潰瘍は一再発した.その後3カ月間の治療にて潰瘍は瘢痕化しなかったため,オメプラゾール坐剤を調製し投与した.投与中の24時間胃内pHモニタリングでは酸分泌抑制効果はほぼ完全であり,潰瘍は速やかに瘢痕化した.嚥下困難な患者の難治性胃潰瘍に対し,オメプラゾール坐剤の投与は極めて有効な治療法であると考えられた.
著者
前田 満 大日 向敬 葵木 智之 赤塚 重昭 川上 峰夫 佐藤 博道 一ノ 倉理
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌B(電力・エネルギー部門誌) (ISSN:03854213)
巻号頁・発行日
vol.122, no.4, pp.561-570, 2002-04-01 (Released:2008-12-19)
参考文献数
8
被引用文献数
10 13

EIE-core type variable inductor is the equipment of variable inductance, which is controlled by dc current. This device controls the cancellation effect of AC magnetic flux. Accordingly, the device always keeps the flux density on the magnetic path within a saturation flux density on control-mode. And, the device cancels a high harmonic distortion, does not need the gaps, which reduce a distortion. Therefore, the device is simply structured, and is easily to scale up. This paper describes a basic structure, basic characteristics (exciting, distortion, ...etc.), and examples of application for the electric power equipment.
著者
池田 登顕 井上 俊之 菊谷 武 呉屋 朝幸 田中 良典 呉屋 弘美 佐野 広美 庄司 幸江 須藤 紀子 長島 文夫 藤澤 節子 佐藤 博之
出版者
特定非営利活動法人 日本医療マネジメント学会
雑誌
日本医療マネジメント学会雑誌 (ISSN:18812503)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.185-189, 2016-03-01 (Released:2021-12-10)
参考文献数
17

在宅医療・緩和ケアカンファレンス(以下、本会という)は、北多摩南部医療圏にて多職種連携推進研修を開催してきた。今回、阿部らが開発した「医療介護福祉の地域連携尺度」を一部本地域に合わせて改変したものを用いて、本会の取組みを客観的に評価した結果、有用な知見が得られたので報告する。 調査は、75名を対象とし多職種が集まる本会以外の研修会への参加頻度も含め、過去3年間で、「本会の研修会参加6回以上」、「本会以外の研修会も含めて6回以上参加」、「多職種連携の研修会参加6回未満」の3群に分け、連携尺度スコアをKruskal-Wallis検定にて検証した。post-hoc testとしては、Scheffe法を用いた。 最終的に、15%以上の欠損値が存在した1名を除外した、74名の回答を分析した。過去3年間において、「本会の研修会参加6回以上」、「本会以外の研修会も含めて6回以上参加」、「多職種連携の研修会参加6回未満」の3群間における連携尺度スコアのKruskal-Wallis検定の結果、有意差がみられた。また、多重比較の結果「本会の研修会参加6回以上」群の連携尺度スコアは、「本会以外の研修会も含めて6回以上参加」群および「多職種連携の研修会参加6回未満」群と比較して有意に高かった(P<0.001)。 地域での多職種連携推進には、その地域で開催されている研修会へ年2回以上の参加が推奨されると考えた。
著者
森澤 紀彦 佐藤 博之 松山 桃子 林 直美 安達 章子 佐藤 順一 横尾 隆 雨宮 守正
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.105, no.12, pp.2432-2440, 2016-12-10 (Released:2017-12-10)
参考文献数
6
被引用文献数
1

TAFRO症候群は,血小板減少(thrombocytopenia),腔水症(anasarca),発熱(fever),骨髄線維症(myelofibrosis),腎機能障害(renal dysfunction),臓器腫大(organomegaly)を特徴とする.症例は66歳,男性.7カ月前に血小板数減少を指摘され,約1カ月前より腹痛,胸腹水貯留が生じた.前医入院後に腎機能障害が出現し,当院転院となり,TAFRO症候群と診断した.比較的急峻な経過を辿るもステロイドおよびシクロスポリンによる治療で改善した.血小板減少を伴う腎機能障害の鑑別にTAFRO症候群を挙げることが肝心である.
著者
佐藤 博信
出版者
千葉大学文学部
雑誌
千葉大学人文研究 = The journal of humanities (ISSN:03862097)
巻号頁・発行日
no.45, pp.21-68, 2016

本稿は、第一章については興風談所勉強会での発表(二〇一五年六月二日)、第二章については千葉歴史学会中世史部会での発表(二〇一五年六月二十八日)を踏まえて纏めたものである。
著者
白川 友紀 鈴木 敏明 鴫野 英彦 佐藤 博志 長澤 武 武谷 峻一 加茂 直樹 山岸 みどり 夏目 達也 渡辺 公夫
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2003

本研究では各大学における教育目標、教育方針、アドミッションポリシーと中等教育の多様性の適合度を明らかにしたいと考え、入学者受入方針等に関する調査を行うとともに、AO入試の実施状況、オープンキャンパスにおける高校生に対する情報提供の現状と課題、専門高校および総合学科高校出身者の大学受入の現状、ならびに入学者の志望動機等に関するアンケート調査などを実施した。また、専門高校、総合学科高校、SSHと高大接続、総合的な学習と高大接続などの高校での学びの多様化と大学入試について研究会を開催し、話し合った。モデル化も行う予定であったが、この数年でAO入試実施大学が急激に増加し、そのアドミッションポリシーも新たに独白性を持ったものが増えており、今後さらに増加すると予想されるため、静的なモデルではあまり意味がないと考え現状分析を行った。今後、時代の変化に応じた新しい入試や大学進学を扱う、環境適応能力を表現できる動的なモデルを考える必要があると思う。アドミッションポリシー、入学試験や合格者への調査は本研究のメンバーによって大変精力的に行われ、大きな成果があったと考えている。一方、入学後ある程度の時間を経た学生や大学側の満足度のような指標の調査はあまり広く実施できなかった。複数の大学で共通のアンケート調査を実施して卒業研究評価を試み、幸い九州大学と筑波大学の2大学で実施した結果を平成18年度の入研協で報告できることとなったが、このような共同研究は大学間の調整の困難さだけでなく、アドミッションセンターと学部や学科との間の調整がかなり困難であるらしいことも分かった。海外調査はSARSの影響で平成16年度以降に行った。欧州の調査は行えなかったが本研究メンバーが他の研究費で行ったフィンランド等の調査結果について本研究のミーティングで知ることができた。本研究では米国、オーストラリア、中国、台湾の調査を行い、各国で入試の多様化が進んでいることが分かった。「理科離れ」について、理科教育を熱心に行っている教員や学芸員、SSHの教員との研究会を開催してAO入試との関連について話し合った。総合的な学習で理科が好きになる、総合的な学習の時間を減らして理科の時間を増やすべき、などの意見があった。しかし、私見であるが、実践されている授業内容に大きな違いは無いように思われ、また、理科離れは科学振興という社会の要請と生徒や学生の個人の幸福が結びついていないというところにも問題があると思われた。さらなる研究が必要である。本研究の成果は、平成15、16年度中間報告書とシンポジウム論文集ならびに成果報告書の4部に収録した。
著者
趙 景達 佐藤 博信 久留島 浩 須田 努 慎 蒼宇 檜皮 瑞樹 小川原 宏幸 宮本 正明
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

近世の薩摩藩には、豊臣秀吉の朝鮮侵略の際に連行されてきた朝鮮人の村があった。苗代川である。本研究は、この村の歴史を近世から近代にかけて明らかにすることによって、幕藩体制の性格を地域から照射するとともに、民族差別の性格を長期的視野のもとに解明しようとしたものである。その結果、薩摩藩の分離主義的傾向と朝鮮人差別の近代的様相が明らかになった。
著者
佐藤 博俊
出版者
日本菌学会
雑誌
日本菌学会大会講演要旨集 日本菌学会第55回大会
巻号頁・発行日
pp.2, 2011 (Released:2012-02-23)

菌類は、地下部において膨大なバイオマスをもち、しばしば他の生物と密接な共生関係を結んでいる生物群であり、森林生態系の中で中核的な存在となりうる生物群である。その中でも、菌根菌は植物と密接な相利共生関係を結んでいることが知られており、とりわけ重要な機能群である。しかしながら、菌根菌がどういった植物種と共生するのかということ(宿主特異性)については、先行研究では十分に正確な情報が得られていなかった。菌根菌の宿主特異性の解明の妨げとなっている要因の一つは、菌類における隠蔽種の問題が挙げられる。菌類は形態形質に乏しく、人工交配実験を行うのも必ずしも容易ではないため、形態的には識別ができないが生殖的に隔離されている種、すなわち隠蔽種が存在する可能性が高い。従来の研究では、隠蔽種識別のための解析が適切に行われていなかったため、異種混同することによって、宿主特異性が正確に評価できていない可能性があった。宿主特異性の研究でもう一つ重要な課題は、いかに宿主植物を正確な同定するかということであった。先行研究では、菌根菌の宿主植物はその菌の近くにに生育している(優占している)植物種と考える場合が多かったが、この方法では宿主樹種を正確に同定できていない可能性があった。そこで、本研究では、近年発達してきた DNA 解析技術を用いることで、これらの問題を解決し、菌根菌の正確な宿主特性を調べることを目的として研究を進めた。本研究では、菌根菌の中でも、いわゆるキノコ類が多く含まれる外生菌根菌に焦点を絞り解析を行った。研究材料としては外生菌根菌であることが知られているオニイグチ属菌(Strobilomyces, Boletaceae)を用いた。 最初に、オニイグチ属菌に実際にどれほどの隠蔽種が存在しているかを調べた。国内と台湾の森林からオニイグチ属の形態種 4 種の子実体を集め、そこから核 DNA(RPB1, ITS2)・ミトコンドリア DNA(atp6)の塩基配列を解読し、別々に分子系統樹を構築した。その結果、これまでオニイグチ(S. strobilaceus)、オニイグチモドキ(S. confusus)、コオニイグチ(S. seminudus)、トライグチ(S. mirandus)という 4 つの記載種が知られていたオニイグチ属菌で、核 DNA とミトコンドリア DNA の塩基配列で共通する DNA タイプが合計で 14 個識別された。それぞれの形態種ごとでは、オニイグチモドキとコオニイグチの複合種は 4 つのDNA タイプに、オニイグチは 7 つの DNA タイプに、形態形質が顕著に他の 3 種と異なるトライグチは 1 つの DNA タイプに、それぞれ分けられることが分かった。また、2 つの DNA タイプはいずれの形態種とも合致しない特殊な形態をもっていた。これらの DNA タイプは、独立の遺伝様式をもつ 2 つの DNA 情報で支持されたことから、オニイグチ属菌では、互いに生殖的に隔離された隠蔽種が多数存在している可能性が強く示唆された。
著者
佐藤博信著
出版者
校倉書房
巻号頁・発行日
1989
著者
山元 恵子 佐藤 博信
出版者
一般社団法人日本医療機器学会
雑誌
医療機器学 (ISSN:18824978)
巻号頁・発行日
vol.86, no.5, pp.459-466, 2016 (Released:2016-11-11)
参考文献数
21

It is recommended to verify the dwelling position of nasal feeding tube in the stomach by sampling gastric fluids, however, it is practically difficult to apply. We inserted a nasal feeding tube in 15 subjects, and then attempted to sample gastric fluids and confirmed the position of the tip by a X-ray examination. Measuring lengths of the tube segmented by body-landmarks (e.g., nose, gastric cardia), we verified the correlations between the body-height and the appropriate tube length to be inserted. The average ratio of the tube length from the nose to the gastric cardia against the body-height of the subjects was 0.29±0.01. The average tube length in the stomach was 103.5±9.9 mm, which was not correlated to the subjects′ body-heights. As the results, a simplified formula “Body-height (cm) × 0.3 + 10 cm” can be suggested to estimate the adequate insertion length of the tube which can sample gastric fluids. Further, to easily visualize the dwelling length of the tube in the stomach by a x-ray examination, our results might recommend non-opaque marks with 1-cm increments between the tip and 10 cm-length.