- 著者
-
澤田 清
三道 弘明
- 雑誌
- 全国大会講演論文集
- 巻号頁・発行日
- vol.51, pp.265-266, 1995-09-20
信頼性実証試験(Reliability Demonstration Testing)は、ハードウェア製品の開発段階終了後,そのハードウェアに目標とする信頼性が十分に実現されているかどうかの実証・確認を目的として考案された.ソフトウェアの品質保証が問題となっている今日,ソフトウェア製品に対してもこの信頼性実証試験の考え方を適用することは十分に意義のあることである.このような考え方に基づき,筆者らは,これまでハードウェアに対して提案されてきた信頼性実証試験の種々の方法のうち,規準型およびゼロ障害型の試験方法をソフトウェアに適用することを試みた.規準型の信頼性実証試験では,ハードウェアに対するそれと同様に,統計的検定論の考え方に基づいて,生産者リスクと消費者リスクの値を指定する方法により定式化した.一方,あらかじめ定められた試験中に発生した障害回数が0のときのみ対象製品を合格とするゼロ障害型の信頼性実証試験においては,設計変数が1つだけであるので,生産者リスクまたは消費者リスクのどちらか一方の値を指定することにより設計可能であった.なお,対象としては,計算機のOSや生産システムの制御ソフトウェアのように時間に関して連続的に用いられるソフトウェア(以後,連続型ソフトウェアと呼ぶ)と,通常の数値計算ソフトウェアのように時間に関して離散的に使用されるソフトウェア(以後,離散型ソフトウェアと呼ぶ)の2通りを考えた.本研究では,ソフトウェアのゼロ障害型信頼性実証試験に対して,Kullback-Leiblerの情報量を用いた新しい設計方法を提案する.なお,ここでも,連続型および離散型の2通りのモデルを扱う.