著者
澤田 秀夫 宮嵜 武
出版者
独立行政法人宇宙航空研究開発機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

JAXA60cm磁力支持天秤装置を用いた風洞実験と高速度カメラを用いた野外実験の二つの手法で和弓矢の空力特性を測定することに成功した。風洞試験結果を用いて矢が軸周りに回転する効果をモデル化し、クロスボウの矢についても風洞試験と野外実験により空力特性を得ることができ、抵抗係数では両者に合理的な一致を見た。風洞試験では、矢が軸周りに回転している状態や、矢の軸が水平面内で1次モード弾性振動をしている状態で空気力を測定する磁力支持天秤技術を獲得した。
著者
澤田 秀夫
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第56回理論応用力学講演会
巻号頁・発行日
pp.65, 2007 (Released:2007-07-18)

矢の飛翔に直接関与する空力特性を知るため、JAXA 60cm磁力支持天秤装置を用いて、直径10mm長さ750mmと極めて細長く、頭部のみが異なる2種類の軸対称物体の抗力、揚力、ピッチングモーメントを、風速7m/sから40m/sまでの範囲で測定した。その結果、円錐頭部を持つ極長物体では境界層遷移に伴う抵抗係数の急増、総流翼型に観られる低抵抗状態も観測できた。また、鈍頭円柱の場合には直径を基準長にしたレイノルズ数で5000から25000までの抗力係数は単調な依存性を示すことが確認された。計測データの合理性から、磁力支持天秤装置を用いることで、矢の様な極めて細長い物体の空力測定が可能であることが判った。