著者
岡田 隆三 小寺 志保 富岡 昭浩 倉田 成人 濱本 卓司 猿渡 俊介
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.229-230, 2016-03-10

軍艦島は,長崎県にある無人島であり,現在も経年劣化による建物の複雑な崩壊現象が発生している.筆者らは,軍艦島において崩壊中の建物の映像や音声,加速度といったデータを収集することで,建築構造解析に貢献することを目指して軍艦島モニタリングプロジェクトを進めている.本稿では,軍艦島モニタリングのためのセンサネットワークインフラシステムを検討する.軍艦島には電力も通信網も存在しないため,センサネットワークインフラシステムは,基地局まで確実にデータを送信できること,スループットが高いこと,消費電力をできるだけ小さくすることの3点を同時に満たす必要がある.本稿では,マルチチャネルを用いたデータ集約型ネットワークインフラを提案する.初期的実装として,無線通信モジュールを搭載したマイコンボードを用いてシステムを作成した.
著者
黒木 琴海 小寺 志保 倉田 成人 濱本 卓司 猿渡 俊介
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとパーベイシブシステム(MBL) (ISSN:21888817)
巻号頁・発行日
vol.2015-MBL-77, no.21, pp.1-8, 2015-11-25

本稿では,現在筆者らが進めている軍艦島モニタリングプロジェクトにおけるタスクスケジューリングについて述べる.軍艦島モニタリングプロジェクトは,現在建築構造物の崩壊が進んでいる軍艦島において映像や音声,加速度データといった建築構造物の崩壊現象のデータを収集し,建築構造解析に貢献することを目的としている.太陽光発電を電源として用いるモニタリングシステムにおいてエネルギーの利用を効率化するため,本稿では DC-LQ (Data Centric LQ-Tracker) と BLT Allocation (Battery Level Task Allocation) の 2 つの手法から構成されるデータ中心型のタスクスケジューリング方式として,BAAD scheduling (BAttery Aware Data centric scheduling) を提案する.シミュレーションによる評価の結果,BAAD scheduling が優れた性能を持っていることがわかった.
著者
濱本 卓司
出版者
東京都市大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

地震や台風による自然振動源からの振動と道路・鉄道交通や建設作業などの人工振動源からの振動を建築物の内外で計測するワイヤレス・センサ・ネットワークを構築することを目的に、ワイヤレスMEMS加速度センサの開発とZigBee無線データ転送及び処理方式の検討を行い、都市で発生する振動を広域高密度でモニタリングすることにより、安全で快適な都市の振動環境を評価し管理するための方法を提案した。
著者
濱本 卓司 倉田 成人 猿渡 俊介
出版者
東京都市大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

都市における想定外事象の発生に備え,事前対策として原因分析や予知・予測に必要な基礎データを提供し,事後対策として避難誘導,安否確認,救助・救援活動を支援する建築群のネットワーク異常検知システム構築に関する実証的研究を行った。厳しい環境の下で建築群が崩壊過程にある長崎県軍艦島を検証の場として選び,映像・音声・振動のセンサデータを総合的に利用して想定外事象の発生を検知し,建築群の非線形挙動を追跡して損傷から崩壊への進行を監視する視聴触統合センシングシステムを実装した。現地におけるシステム構築により得られた新たな発見と経験的知見に基づき,システム改善のための今後の課題を明らかにした。