著者
瀬沼 文彰
出版者
日本笑い学会
雑誌
笑い学研究
巻号頁・発行日
no.13, pp.62-70, 2006-07-08
著者
瀬沼 文彰
出版者
日本笑い学会
雑誌
笑い学研究 (ISSN:21894132)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.45-59, 2014

若い世代は、他の世代に比べよく笑っていると言われる。他の世代に比べて楽しいことも多いのかもしれないが、筆者がフィールドワークをしているとそこには少なからず不自然な笑いが見え隠れしていた。笑い合うことで仲間同士、安心し合ったり、実際は「つまらない」と感じているのにも関わらず空気を読んで笑って楽しいふりをしてみたり、まじめな話を避けるためにふざけてばかりいる若者もなかにはいた。これらの笑いは、楽しいから/面白いから笑うというよりもその場の状況や空気に合わせて笑っているように思える。感情はもっと自然であってもいいのではないだろうか。本稿では、若い世代のこうした笑いに着目し、その実態を抽出しつつ、整理し、そこから読み取れる意味を感情社会学の枠組みから考察することが最大の目的である。こうした考察を通して、現代人の笑いのあり方を問い直すことにしたい。
著者
瀬沼 文彰
出版者
日本笑い学会
雑誌
笑い学研究 (ISSN:21894132)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.75-92, 2015-08-01 (Released:2017-07-21)

2015年1月に、206名の大学生を対象に「笑いに関する意識調査」を関西と関東で行った。その結果をもとに、本稿は、彼/彼女たちの笑いの実態を記述し、そこに見え隠れする問題についての考察を行った。今回調査した大学生はよく笑い、笑わせる意識を持っていた。また、地域差を問わずボケやツッコミが浸透しているし、自分の失敗談を話すし、バラエティ番組もよく見ていて、それを真似することもある。こうした側面からは調査対象とした若者たちは笑いに積極的であることが分かった。しかし、その一方で、愛想笑いをする人が多かった。さらに、仲間内で発生した笑いで傷ついたり、悲しい思いをしたりする人もいたし、なかには、怒りたくても怒れずに無理して笑う人もいた。それでも、彼/彼女たちは、笑いに疲れず、友だちには満足していて楽しいと言う。本稿では、調査結果をもとにこうした実態を詳細に記述し、そこから読み取れることを考察した。