著者
為永 義憲 篠崎 惠美子
出版者
一般社団法人 日本看護学教育学会
雑誌
日本看護学教育学会誌 (ISSN:09167536)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1-1, pp.15-26, 2023 (Released:2023-04-28)
参考文献数
27

〔目的〕看護学生の訪問看護ステーションへの就職意向と訪問看護実習での経験との関連を明らかにする。〔方法〕看護系大学4年生387名に、webアンケートによる無記名自記式質問紙調査を行った。単純集計後、訪問看護ステーションへの就職意向と基本属性、訪問看護実習での経験との関連をみた。〔結果〕102名を有効回答(26.4%)とした。訪問看護ステーションで将来働きたい者は29.4%で、卒後すぐに働きたい者はいなかった。訪問看護に関心がある者は57.8%で、実習時期は4年次(62.7%)が最も多かった。訪問看護ステーションへの就職意向は、訪問看護に関する関心、実習時期、実習の満足度、訪問看護師の学生のことを知ろうとする関わりと関連がみられた。〔考察〕看護学生の訪問看護ステーションへの就職意向には、訪問看護実習での経験が重要と示唆された。訪問看護ステーションへの就職を検討するには、インターンシップや新卒訪問看護師に関する情報提供と、就職活動以前に訪問看護実習を経験することが重要と考えられた。
著者
為永 義憲 蒔田 寛子 藤井 徹也
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.244-251, 2020 (Released:2020-12-02)
参考文献数
13

目的:訪問看護師のICTを用いた遠隔からの医師の死亡診断を補助することへの自信感や不安と遠隔死亡診断に用いる看護技術の自信等の関連を明らかにし,遠隔死亡診断が普及するための課題を検討する.方法:全国1785カ所の訪問看護ステーションの看護師に無記名自記式質問紙調査を実施した.単純集計後,死亡診断に関する認識と看取り体制,看護技術の自信等との関連をみた.結果:325名を有効回答(18.2%)とした.死亡診断に関する認識として,遠隔死亡診断をできないと思う者は176名(54.2%)であり,理由は「家族が納得しない」が最も多かった.死亡診断に関する認識は,身体観察項目に対する自信,死亡診断等GLや医師法21条の認知等と関連した.結論:訪問看護師が遠隔死亡診断をできると認識するには,死亡診断関連の情報を得ることや身体観察技術の向上が重要と示唆された.