著者
石〓 友子 片岡 明 増山 繁 山本 和英 中川 聖一
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 = Journal of natural language processing (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.119-142, 2000-10-10
被引用文献数
2

字幕生成のためのニュース文要約のような報知的要約では, 原文の情報を落とさないことが望まれる. 本論文では, このような原文の情報を極力落とさない要約手法の一っとして, 重複部削除による要約手法について議論する. テキスト内に, 同一の事象を表す部分が再度出現したならば, その部分を削除することによって冗長度を減少させ, 情報欠落を可能な限り回避した要約を行う. 事象の重複を認定するために, 係り受け関係のある2語が一つの事象を表していると仮定し, 2語の係り受け関係の重複を事象の重複と認定する. また, 2語の係り受け関係を用いて重複部を削除するだけでは, 読みやすく, かつ, 自然な要約文を生成することができない. そのために考慮すべきいくつかの情報について議論する. 以上の方法のうち, 実装可能な部分を計算機上に実装し, 評価実験を行った. 人間による削除箇所と本手法による削除箇所とを比較したところ, 再現率81.0%, 適合率85.1%の結果を得た.
著者
種田 和正 片岡 明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.82, no.7, pp.1309-1319, 1999-07-25
参考文献数
13
被引用文献数
10

動くエージェントに基づくルーチングアルゴリズム AntNetは, ルーチングが固定化 (ルーチングロック) する欠点をもつ. ネットワークに発生するさまざまなイベントに対して, ルーチングが素早く応答するためには, ロックしたルーチングの割合を少なくしたり, ロックを素早く解除するメカニズムが必要である. 本論文では, 2種類のロック解除アルゴリズムを提案する. シミュレーションにより, ロック解除アルゴリズムを組み込んだ AntNet (ロックフリー AntNet) は, オリジナルAntNetに比べて, 入力トラビックの変動やネットワーク内で故障が発生した直後のネットワーク内パケット数の増大を抑えることを示す.