著者
片瀬 拓弥
出版者
清泉女学院短期大学
雑誌
清泉女学院短期大学研究紀要 = Bulletin of Seisen Jogakuin College (ISSN:02896761)
巻号頁・発行日
no.34, pp.1-10, 2015

本研究は、インターンシップ実習生の自己評価表をもとにテキストマイニング分析を行い、次の2点を明らかにした。(1) 実習生が体験した業務内容について、実習先の産業分類ごと統計的に差異があることを明らかにした。さらに分析結果を活用して、インターンシップ用Realistic Job Preview (RJP)指標を試作した。(2) インターンシップ実施時期による実習生の意識の差異を分析した結果、1年春休みの実習生は、1年夏休みの実習生よりも、より「就職」を意識していることを明らかにした。
著者
片瀬 拓弥
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S42020, (Released:2018-09-03)
参考文献数
9

本研究は,女子短大生にボードゲーム学習を集中講座として行い,学習前及び学習時の肯定的感情・否定的感情・安静状態の各感情が,ゲームスコアとゲーム外評価にどのような影響を及ぼすのか検討した.その結果,学習時の肯定・否定の両感情は,学習前と比較して有意に上昇し,安静状態は有意に下降した.さらに,パス解析を用いて検討した結果,主に学習時の肯定的感情が高く,安静状態が低い学習者ほどゲームスコアにプラスの影響を及ぼす可能性と,主に学習前の肯定的感情が高い学習者ほど事後リフレクション時のテキスト総文字数(ゲーム外評価)にプラスの影響を及ぼす可能性が示唆された.
著者
片瀬 拓弥
出版者
清泉女学院短期大学
雑誌
清泉女学院短期大学研究紀要 = Bulletin of Seisen jogakuin Junior College (ISSN:02896761)
巻号頁・発行日
no.35, pp.12-21, 2017-03-20

本研究は、オンラインビデオ教材と協同学習を組み合わせた反転授業を行い、事後テストの9週間後の記憶保持と感想文内容との関連性をテキストマイニングにより分析し、どのような記述内容が、9週間後の記憶保持に影響するのか検討した。その結果、9週間後の記憶保持の上位群は、下位群よりも予習行動に関する記述が有意に多かった。一方、9週間後の記憶保持の下位群は、上位群よりも協力行動に関する記述が有意に多かった。
著者
片瀬 拓弥
出版者
学校法人未来学舎
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2010

1.研究目的本研究の関連研究である「判別分析による専修学校の中途退学者の早期予測方法の開発」は,線形回帰分析により中途退学者を予測し,その予測率は26.1%(n=271,申請時からの改定値)となっていた.この予測率向上を目的とし,本研究では,非線形回帰分析可能なニューラルネットによる予測方式を開発する.2.研究方法本研究は,2010年度から市販される専門学校版Q-Uを使用する予定であった.しかし,該当商品販売時期が年度後半に延期されたため,入学当初の調査時には,関連研究同様の高校版Q-Uを用いた.さらに,予測率向上を目指すため,性格検査(5因子検査)も同時期に実施した.それらの回答結果を非線形回帰分析手法であるニューラルネットワークの3層パーセプトロンモデルを用いて分析し,予測率向上を目指した.3.研究成果2010年度において新たに取得した性格検査,学力偏差及び高校版Q-Uのデータから説明変数として,29変数(性別:1変数,学力偏差:2変数,学級所属群:4変数,性格検査:5変数,学級状況:4変数,悩み:13変数)を選択した.そのデータを用いて関連研究と同様の線形回帰分析を実施した結果,予測率は14.4%(n=323)となった.つまり,単に性格検査などの説明変数を分析に増加導入しただけでは,直接の予測率向上には到らないことが判明した.そこで,このデータ群を用い,ニューラルネットによる非線形回帰分析を実施した.具体的には,3層パーセプトロンモデルを採用し,最適な中間層数を決定するため,ブートストラップ法による学習実験を数万回行なった.その結果,ニューラルネットワークが過剰学習を起こさず,最も良い予測率を示すのは,中間層のニューロン数が28個であることが判明した.また,その予測率は70.4%となり関連研究に比して大幅に向上した。さらに,中途退学防止策に関する担任の自由記述アンケートをテキストマイニング分析した結果,学級経営方針が指導型・援助型のタイプ別に退学防止の対処方法が異なることが判明した.今後の課題は,このニューラルネットワークモデルが2011年度以降の新入生に対し,実際にどれだけの的中率を持つのか検証することである.