- 著者
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松田 憲
牛尾 琴
楠見 孝
- 出版者
- 日本認知心理学会
- 雑誌
- 日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第19回大会
- 巻号頁・発行日
- pp.11, 2022 (Released:2022-04-20)
単純接触効果において,過度の反復呈示は刺激への心的飽和が生じて好意度の上昇を妨げることが知られている。松田ほか(2019)は,女性アバターを反復呈示する毎に化粧を変化させて新奇性を付加させることで,心的飽和の生起が抑制されて好意度が上昇することを示した。しかし男性参加者にはこのような結果が見られず,化粧変化が男性にとって身近でないことが原因として考えられた。そこで本研究では,髪型を変化させることで,両性別の参加者に対して単純接触効果が生じるかを検討した。呈示刺激は男女のアバターで,予備調査に基づいて事前好意度の高低を操作した。参加者は反復呈示されたアバターに対する事後好感度と親近性,新奇性を評価した。実験の結果,女性参加者は,髪型変化によって特に事前好意度の高い女性アバターへの単純接触効果が促進された。一方で,男性参加者には,先行研究と同様に,髪型変化による単純接触効果の促進は見られなかった。