- 著者
-
櫻井 治男
牟禮 仁
本澤 雅史
河野 訓
塚本 明
藤本 頼生
石原 佳樹
八幡 崇経
- 出版者
- 皇學館大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2007
本研究は、(1)神仏分離時期の行政文書(廃仏毀釈・神葬祭関係が中心)のデジタル画像化と公開、(2)寺院を中心とした廃仏毀釈状況の検証、(3)新たな葬儀形式である神葬祭の受容期における寺院と人々との関係などについて研究を進展させることを主な目的とした。それぞれの成果の概要は次の通りである。(1)については、三重県庁所蔵の関係行政文書、約5000枚のデジタル画像化を行ない、三重県史編纂室、皇學館大学、三重大学の3か所においてパーソナル・コンピューターによって閲覧することを可能とした。また、三重県神社庁所蔵の関係文書および神宮文庫において研究上重要な史料の存在を確認することができた。但し、これらの史料は膨大な量に及び、研究の推進上はその一部を活用するにとどまっており、今後の研究課題として残された。(2)寺院を中心とした廃仏毀釈状況の検証は、なお時間をかけて明らかにすべき課題である。本研究では、関係史資料(文書・絵図)の確認と一部資料の収集を試みたが、内容的な検討は必ずしもできず今後の研究展開に委ねることとなった。しかしながら、関係資料の一部を研究報告書に収録し、研究基盤の一端を公開する役割を担うことができた。(3)の神葬祭化の問題は、本研究グループが主体となり行なったシンポジウムを通して、研究の方向性や観点などを明らかにすることができたが、実生活における状況の解明や、更なる史料の収集および内容検討は今後の課題となった。