著者
櫻井 治男 齋藤 平 谷口 裕信 濱千代 早由美
出版者
皇學館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究の目的は、明治維新を転機とする日本社会の変革状況のなか、新政府の下で実施された伊勢神宮の諸改革の影響による伊勢信仰の持続と変容の解明にある。特に神宮と在地とを繋いでいた御師の制度廃止と旧御師家の活動・生活実態につき岩井田家所蔵資料の活用を図った。その結果、①未公開資料約2万点のうち半数の目録化を完了し、資料の展示公開を行うことで研究及び資料の重要性を示した。②旧檀那地域の調査により、在地と岩井田家との関係が1930年代後半まで続き、伊勢信仰の持続性とかかわる点を明確にした。③参宮者の伊勢における宿泊面で、近代的な旅館業との競争原理のなかで旧師職家の役割が衰退する動向を明らかにした。
著者
櫻井 義秀 土屋 博 櫻井 治男 稲場 圭信 黒崎 浩行 濱田 陽 石川 明人
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

社会貢献活動を行う宗教団体・宗教文化の特徴を比較宗教・比較社会論的視点から明らかにする調査活動を実施し、共生・思いやり・社会的互恵性・公共性の諸理念を形成することに宗教の果たす役割があることを明らかにした。その成果の一部は稲場圭信・櫻井義秀編『社会貢献する宗教』世界思想社、2009年で明らかにされ、分担・協力研究者たちの研究により、宗教と社会貢献の関連を研究する研究分野を宗教社会学に確立した。
著者
櫻井 治男 牟禮 仁 本澤 雅史 河野 訓 塚本 明 藤本 頼生 石原 佳樹 八幡 崇経
出版者
皇學館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、(1)神仏分離時期の行政文書(廃仏毀釈・神葬祭関係が中心)のデジタル画像化と公開、(2)寺院を中心とした廃仏毀釈状況の検証、(3)新たな葬儀形式である神葬祭の受容期における寺院と人々との関係などについて研究を進展させることを主な目的とした。それぞれの成果の概要は次の通りである。(1)については、三重県庁所蔵の関係行政文書、約5000枚のデジタル画像化を行ない、三重県史編纂室、皇學館大学、三重大学の3か所においてパーソナル・コンピューターによって閲覧することを可能とした。また、三重県神社庁所蔵の関係文書および神宮文庫において研究上重要な史料の存在を確認することができた。但し、これらの史料は膨大な量に及び、研究の推進上はその一部を活用するにとどまっており、今後の研究課題として残された。(2)寺院を中心とした廃仏毀釈状況の検証は、なお時間をかけて明らかにすべき課題である。本研究では、関係史資料(文書・絵図)の確認と一部資料の収集を試みたが、内容的な検討は必ずしもできず今後の研究展開に委ねることとなった。しかしながら、関係資料の一部を研究報告書に収録し、研究基盤の一端を公開する役割を担うことができた。(3)の神葬祭化の問題は、本研究グループが主体となり行なったシンポジウムを通して、研究の方向性や観点などを明らかにすることができたが、実生活における状況の解明や、更なる史料の収集および内容検討は今後の課題となった。