- 著者
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牧野 貴樹
滝 久雄
合原 一幸
- 出版者
- 東京大学生産技術研究所
- 雑誌
- 生産研究 (ISSN:0037105X)
- 巻号頁・発行日
- vol.62, no.3, pp.259-265, 2010-05-01 (Released:2010-09-22)
- 参考文献数
- 10
試行錯誤を通して学習するエージェントが利他的行動を獲得するために必要な他者モデルの要素を,繰り返し囚人のジレンマゲームの計算機シミュレーションにより調べた。実験の結果,他者モデルを持たないエージェントや,予測した他者の行動だけを参照するエージェントよりも,推定した他者の内部状態に基づいて行動決定するエージェントのほうが,高確率で相互協調に至ることが明らかになった。また,再帰的な推定構造をもつ他者モデルや,自己と他者の相互の入れ子構造を有する他者モデルを利用すると,相互協調に至る確率がさらに高まった。