著者
玉之内 直 猿渡 康文
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.382-389, 2004-02-15

本論文では, 政策資産配分を策定するための最適化モデルを構築した.政策資産配分とは, 厚生年金基金が資産運用を行う際に作成する, 資産配分のベンチマークである.政策資産配分の策定にあたっては, 年金運用の目的が加入員に対する安定的な年金給付を行うことであることを考慮しなければならない.本研究では, 政策資産配分の持つ実務的な意味と, 運用上の制約を考慮したモデルを作成した.提案するモデルは, 非線形制約を含む最適化問題である.これに対し筆者らは, 問題の構造を利用した実用的な解法を提案し, 最適解の近似値を算出した.また, 数値実験により, 提案する解法によって得られる解の実務への適用可能性を検証した.