著者
玉田 勉
出版者
日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
雑誌
日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌 (ISSN:18831273)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.35-42, 2013-10-01 (Released:2014-11-10)
参考文献数
32
被引用文献数
4 5

サルコイドーシスの骨・筋肉・関節病変は比較的頻度は低いものの,しばしば難治性であり長期間の副腎皮質ステロイドホルモン薬(ステロイド)投与を要する傾向がある.診断については整形外科医の協力が必要であるが,手術を要しない内科的治療に関しては,サルコイドーシスに対する全身ステロイド療法の経験の多さからか,われわれ内科医が行うことが多い.骨・筋肉・関節病変に対する治療効果の判定やステロイドの漸減のタイミングなどの判断は,患者の自覚症状に頼ることが多く,われわれ内科医にとって客観的指標に基づく判断をするのは困難である.また患者の側でもステロイドの導入および減量にあたっては,症状が軽度で日常生活が可能な程度であれば,ステロイドを内服せずに我慢する場合もあり,治療方針の決定がスムーズにいかないことも多い.本セミナーではこれら骨・筋肉・関節病変について,東北大学病院サルコイドーシス外来で経験した症例を紹介しつつ,われわれ内科医でできる範囲での診断の手順や,特徴的な画像所見および治療方針などに関して概述する.
著者
竹内 充 上野 嘉子 玉田 勉 重里 寬 稲田 悠紀 大須賀 慶悟 鳴海 善文
出版者
学研メディカル秀潤社
巻号頁・発行日
pp.555-564, 2020-04-25

膀胱癌(bladder cancer)の治療法は筋層浸潤の有無に基づいて選択される.MRIによる筋層浸潤の有無の評価は,標準的撮像法・診断法であるVesical Imaging-Reporting and Data System(VI-RADS)で行う.VI-RADSではT2強調像,拡散強調像,ダイナミックMRIを撮像し,5段階のカテゴリー分類で筋層浸潤の確率を評価する.
著者
小野寺 克洋 玉田 勉 村松 聡士 村上 康司 奈良 正之 小松 理世 小林 誠 山田 充啓 杉浦 久敏 一ノ瀬 正和
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.105, no.3, pp.540-546, 2016-03-10 (Released:2017-03-10)
参考文献数
8

38歳,女性.多関節痛を自覚後,急速にぶどう膜炎,発熱,咳嗽,体重減少,肺門リンパ節腫脹などを認め,気管支鏡検査,ガリウムシンチなどでサルコイドーシスと診断した.急性サルコイドーシスのLöfgren症候群のうち結節性紅斑を伴わないvariant formが考えられた.全身ステロイド治療を開始し症状は速やかに改善した.本症候群は本邦で稀であり,全身症状の強いサルコイドーシスでは鑑別に挙げる必要がある.