著者
中村 大輝 田村 智哉 小林 誠 永田 さくら 大森 一磨 大野 俊一 堀田 晃毅 松浦 拓也
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
科学教育研究 (ISSN:03864553)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.215-233, 2020 (Released:2021-02-05)
参考文献数
65

This study aims to determine the expected effect size of intervention studies in science lessons through meta-analysis. Intervention studies were collected from education-center websites in every Japanese prefecture to calculate the average effect size and examine the moderation effect. The results of the quantitative analysis showed that the mean effect size of multi-valued items was g=0.594 [0.557, 0.630] (k=626, N=9122). The moderator analysis revealed relatively low effect sizes for learning in the geology domain, and differences in effect size for various types of academic indicators. In addition, we provided basic statistics to help determine the sample size needed for future studies.
著者
江口 昭彦 齋藤 寛 田中 静恵 田中 恵子 中野 篤浩 有澤 孝吉 小林 誠
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.177-182, 1999-06-01 (Released:2010-02-09)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

種々の食品中の硫黄含量を明らかにすることにより, 硫黄の摂取量また硫黄の人体に対する生理的意義や健康状態との関連を知るための基礎資料の作成を目的とし, 予備的な回収実験の後, ICP発光分析法により12群77種 (各5検体) の食品について硫黄含量を測定した。この結果に基づいて, たんぱく質, 含硫アミノ酸と硫黄含量との相関を解析した。1) システイン溶液を用いた回収実験の結果, 過酸化水素水, 硝酸, 過塩素酸を加える操作法が, 最も高い回収率 (97.8±2.1%) を示した。2) 魚介類, 卵類, 豆類, 獣鳥肉類, 藻類 (あまのりのみ) 等の食品は, 硫黄含量が多かった。3) いも類, 野菜類 (にんにくを除く), 果実類, きのこ類などの食品は, 硫黄含量が少なかった。4) 今回測定した食品の硫黄含量とイギリスで発表されているもの20種 (24品目) との比較を行ったところ, 数値に若干の開きがあるものもあったが, 相関係数はr=0.89 (p<0.001) と極めて強い有意な正相関が認められた。5) たんぱく質及び含硫アミノ酸含量と硫黄含量との間には, 有意な正の相関が認められた。6) いいだこ・いか・ほたてがい・あまのり等の硫黄含量が特に多いのは, タウリンが多く含まれている食品であったり, 含硫アミノ酸以外に酸性ムコ多糖類似物質等も含まれている食品であるためと考えられる。7) にんにく, あさつき, グリーンアスパラガスの硫黄含量が比較的高いのは, 硫化アリルを含んでいるためと考えられる。
著者
佐原 直日 北原 信介 松永 貴志 小林 誠一郎 藤井 知紀 大野 伸広
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.63, no.11, pp.1530-1534, 2022 (Released:2022-12-08)
参考文献数
15

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)はしばしば微小血管における血栓形成を助長し重要臓器を障害する。今回COVID-19に後天性血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)を合併した症例を報告する。症例は全身性エリテマトーデスの既往のある44歳男性。COVID-19を発症時に溶血性貧血と著明な血小板減少を認めた。ADAMTS13活性が測定感度以下でADAMTS13 inhibitorを検出したため後天性TTPと診断した。失語,見当識障害,せん妄などの動揺性精神神経症状が出現したが血漿交換,prednisolone, rituximabを投与し改善した。COVID-19にTTPを合併した報告は少なく本邦では本症例が初めてとなる。TTPは稀ではあるがCOVID-19の重要な合併症の一つで速やかに診断し早期に治療を開始することが重要と考えられた。
著者
小林 誠人 甲斐 達朗 中山 伸一 小澤 修一
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.9, pp.652-658, 2007-09-15 (Released:2009-02-27)
参考文献数
7
被引用文献数
2 1

JR福知山線列車脱線事故における初動期の現場医療活動について報告し, 災害医療の観点から検証する。事故概要 : 2005年4月25日9時18分JR福知山線で列車脱線事故が発生した。死者107名, 負傷者549名 (重症139名) の多数傷病者発生事案であった。現場活動 : 我々は事故発生から約40分後の10時01分に現場到着した。先着医療チームとして2次トリアージと応急救護所における緊急処置に従事した。また医療チームが順次現着した後は医療チームのcommanderを担当し, 現場医療活動の統括にあたった。検証 : ドクターカーシステムが整備, 認知されており発災早期に医療チームの現場派遣が可能であった。また医療チームは統制がとられ適切にトリアージ, 現場治療がなされたと評価される。その結果, 科学的に証明することは種々の理由により困難ではあるが, preventable deathが回避できたと推測している。しかし, 初動期において各機関は十分な情報収集と共有化が行えなかった。その結果, 詳細な事故状況, 通信手段, 患者搬出の動線, 搬送手段 (救急車, ヘリなど) の状況, 搬送医療機関の選定, 医療チームの要請状況などの把握, 整備, 確立に時間を要した。今後は現場指揮本部を通じて消防, 警察と早期から十分に情報共有を行い, トリアージ, 処置, 搬送の一連の連鎖が途切れることなく行われることが期待される。まとめ : 災害医療は日常業務の延長にあり, 本事案で明らかとなった課題を検証し, 本邦における災害医療システムの構築, 整備, 啓蒙が望まれる。
著者
小野寺 直人 櫻井 滋 吉田 優 小林 誠一郎 高橋 勝雄
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.58-65, 2008 (Released:2009-01-14)
参考文献数
16
被引用文献数
1 1

岩手医科大学附属病院(以下,当院)では院内感染予防のための新たな支援策として,実施すべき予防策を指標色制定(color coding)により視覚的に周知させることを意図した,当院独自の「感染経路別ゾーニング・システム」を2005年4月から導入した.   本論文では,システム導入の経緯を示すとともに,新たな支援策が各種の感染制御指標に及ぼす影響について,1) 擦式手指消毒薬および2) 医療用手袋の使用量,3) MRSAの発生届出件数,4) 入院患者10,000人当たりのMRSA分離報告件数,5) 院内のアウトブレイク疑い事例に対するICTの介入件数の5指標を,システム導入前(2004年度)と導入期(2005年度),導入後(2006年度)の各年度で比較した.   調査の結果,導入前,導入期,導入後でそれぞれ,1) 擦式手指消毒薬の月平均総使用量は242L, 250L, 235Lと差が認められず,2) 医療用手袋の月平均使用量は261,700枚,338,000枚,410,100枚で導入期・導入後に増加,3) MRSA月平均発生届出件数は23.6±4.3, 20.3±5.5, 19.8±4.6と導入後有意に減少,4) MRSA月平均分離報告件数は21.1±5.1, 14.5±3.9, 13.6±3.1で導入期・導入後に有意に減少,5) 年間ICTの介入件数は7件,5件,3件と減少した.以上から「感染経路別ゾーニング・システム」の導入は院内感染対策の充実,特に大多数を占める接触感染の予防支援策として有効と考えられた.
著者
木下 四郎 渡辺 久 米良 豊常 北村 滋 小林 誠 長田 豊 和泉 雄一 小鷲 悠典 野口 俊英 石川 烈
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.509-517, 1981-09-28 (Released:2010-07-16)
参考文献数
16
被引用文献数
3 4

Maintenance phase is the most important stage in terms of the patient's continued oral health. Whether periodontal therapy succeeds or not depends on his plaque control.O'Leary et al. (1972) has devised “Plaque Control Record” and noted that goal in teaching oral hygiene procedures was to reduce plaque accumulations until they were found on 10 percent or less of the available tooth surfaces.The purpose of this study was to investigate appropriate level of plaque control in order to maintain periodontal health at the maintenance phase using the plaque control record.36 patients who had been recieved periodontal therapy at our department and visited hospital for periodic recall were investigated. Oral hygiene status and periodontal tissue condition of these patients were evaluated by the plaque control record, oral hygiene index, gingival index and pocket depth. In addition, oral photographs of the patients were taken.The results obtained were as follows:1. It seemed to be very difficult that patients maintained at the level of 10 percent or less of plaque control record at the maintenance phase.2. The patients, who showed the level of teen to twenty percent of plaque control records, exhibited clinically no inflammation at their gingiva and did not recur the deepening of periodontal pockets.3. At the thirty percent of plaque control record, edematous gingiva was observed. When the level of plaque control reached to forty clinically inflammatory change was evident.4. It was found that the plaque was retained more at the mandibule than the maxilla, on the left than the right, at the mesiodistal surfaces than the buccolingual and at the mesial aspects than the distal.
著者
野口 佑太 小林 誠 中尾 由佳里 水谷 祐哉
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.497-500, 2021-05-10

要旨 買い物に行くことのできない地域在住高齢者に対して,バーチャルリアリティ(virtual reality;VR)を活用して買い物の楽しみを支援した.その結果,対象者がお店に行くことなく,VRで店内の様子を視聴することができ,買いたいものを買うことができた.VR画像は,視聴者の頸部の動きに連動して画面が変化するため,自分自身が店舗内に居る感覚を得ることができた.しかし,VR画像の視聴中に商品に近づくことができないことが課題として挙げられた.VRを活用した買い物支援は,買い物弱者にとって,実際の店舗に行けない,または行かなくても商品を選ぶ楽しみを体験することができる可能性が示された.
著者
菅原 慎悦 小林 誠道 長井 裕傑
出版者
関西大学 社会安全研究センター
雑誌
社会安全学研究 = Journal of societal safety sciences (ISSN:21860815)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.57-81, 2021-03-31

This study explores how the COVID-19 was reported in Japanese media focusing particularly on 'reducing contact by 80 percent', an oft-mentioned policy slogan during the emergency period. Our qualitative content analysis of five major newspapers in Japan between 1 April and 30 June shows that media agenda had shifted from 'socializing the slogan of 'reducing contact by 80 percent'' to 'highlighting unachieved status against this goal', and to 'reviewing the boundary between science and politics'. By and large, our analysis indicates that Japanese print media coverage were modest and 'media hype' was not observed. Rather, the slogan had been emphatically represented as a 'scientific' and thus an uncompromised goal, which might orient people toward selfrestraint behavior. Meanwhile, it may have hindered the public from scrutinizing the incertitude of scientific expertise which supported governmental decisions.
著者
小林 誠 岩井 大輔
出版者
日本環境動物昆虫学会
雑誌
環動昆 (ISSN:09154698)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.133-136, 2007-09-20
参考文献数
11

The environmental conditions of the microhabitat of the giant water bug, Lethocerus deyrollei (Hemiptera : Belostomatidae) were studied in ponds and ditches in Tochigi Prefecture in the northern part of the Kanto Plain, Japan, during the its activity period between May and September in 2005. The relationship between the existence of Lethocerus deyrollei and the environmental factors was analyzed. The results showed that the factors affecting on the microhabitat of Lethocerus deyrollei were water temperature, water depth, substrate type and the presence of vegetation cover.
著者
小林 誠 黒沼 紀彦 五百蔵 重典
雑誌
研究報告 高度交通システム(ITS)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.9, pp.1-8, 2012-11-08
被引用文献数
1

屋内で使用するナビゲーションシステムは様々な研究がなされている.我々はタグに地図情報を格納し,それを読み込むことでナビゲーションするシステムを提案している.このシステムで本を探索できるようにするため,本 1 つ 1 つにタグを付け,探している本であるかを判別するというハイブリッド検索方式を採用する.更に,図書館の本棚のように規則的に並んだ場所の案内を,何個分進めばいいか表示するという改良を行った.加えて,従来のシステムは i アプリで実装されていたが,カメラの画面と案内の画面の遷移が頻繁に行われるため利便性が悪いという問題があったため,現在主流となっているスマートフォンを用いた実装により,カメラ画面と案内画面を同時に表示し,利用者の利便性向上を図る.There are many researches with various navigation systems used indoors. We proposed a navigation system using tags include map information and reading it. We propose many revises for book search. In order to be able to search for a book, we propose the hybrid book search system having a judged function whether it is the book added tag currently looked for. For guidance at the place regularly located in a line like the bookshelf of a library, we improve indicating by how many pieces it should progress. The conventional system was implemented by the i-appli. Then, since changes of a camera screen and the screen of guidance were performed frequently, there was a problem that convenience was bad. We are implemented on smartphone which displays a camera screen and a guide screen simultaneously and improvement in user convenience.
著者
小林 誠 日笠 健一 萩原 薫 湯川 哲之 清水 韶光 菅原 寛孝 大川 正典
出版者
高エネルギー物理学研究所
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1986

トリスタン加速器による電子・陽電子衝突実験は昭和62年度より本格化した. 昭和62年中に, ビームエネルギー25.0, 26.0, 27.5GeVでの実験を終え, 28.0GeVでの実験が進行中である.こうした状況のもとで, 本課題ではトリスタン・エネルギー領域での現象論を種々の観点から行ったが, 特に輻射補正と超対称性理論に基づく現象論に力点を置いた.輻射補正では, 電子・陽電子衝突における軽粒子対生成, 光子対生成, トップ・クォーク対生成, ジェット生成などの過程に対する補正の計算を行ったほか, ニュートリノの種類数を調べるのに有効なニュートリノ対+光子の過程に対する補正の計算を行った. これによって, トリスタンにおける基本的な過程の輻射補正の計算は一応完成した.またこの研究の一環としてファイマン図の計算機による自動生成, 自動計算の開発を行った.超対称理論の関連では, トリスタンにおいて超対称性を検証する可能性について種々の検討を行った. 超重力理論ではスカラー・トップが特別に軽く, トリスタン領域に存在する可能性が指摘されている. 従ってその性質を調べることは重要であるが, 本課題では軽いスカラー・トップ・クォークの崩壊幅の計算を行い, その結果, 従来のスカラー・トップの崩壊幅の計算にはいくつかの重要な見落としがあることが判明した. そのほか, 超強理論から予想される新しいタイプの相互作用の検証の可能性について検討を行った. また陽子・反陽子衝突器による実験との関連を調べた.
著者
丸山 健一 小林 誠 山田 博文 中野 康明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.82, no.9, pp.1435-1443, 1999-09-25
被引用文献数
1

本研究の目的は筆記体で書かれた手書き英単語を認識することである.以前の研究では,文字認識部にある一つの手法を用い,その結果を用いて単語認識を行っていた.本研究では複数の文字認識を用い,そこから得られた結果を組み合わせることにより,単語認識率の向上をねらった.手書き英単語認識に適用した実験の結果,提案した手法による単語認識率は単独の認識アルゴリズムを用いたときよりも認識率が向上した.
著者
和田 大和 高須 惟人 永嶋 太 小林 誠人
出版者
一般社団法人 日本Acute Care Surgery 学会
雑誌
Japanese Journal of Acute Care Surgery (ISSN:2436102X)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.127-132, 2022 (Released:2022-12-29)
参考文献数
16

〔要旨〕症例は,53歳,女性。目撃ありの心肺停止にて救急要請され,難治性の心室細動で公立豊岡病院但馬救命救急センターに搬送された。体外式膜型人工肺(extracorporeal membrane oxygenation;ECMO)による体外循環式心肺蘇生(extracorporeal cardiopulmonary resuscitation;ECPR)が導入された。しかし胸骨圧迫に伴う肝損傷のため出血性ショックに陥り,肝周囲ガーゼパッキング(perihepatic gauze packing;PHP)によるdamage control surgery(DCS)を行ったが,出血の制御は困難であった。可吸収性止血剤を充填し再度PHPを行い,止血が得られた。胸骨圧迫の合併症としての肝損傷はECPRおよび抗凝固薬の使用などで顕在化する。循環動態が不安定な場合,戦略はDCS,戦術はPHPであるが,損傷部位および抗凝固状態によっては損傷部位へ止血剤の直接充填+PHPを考慮してもよいと考えられた。
著者
野々木 宏 安田 康晴 今井 寛 太田 祥一 小澤 和弘 木下 順弘 小林 誠人 高階 謙一郎 森村 尚登 山野上 敬夫 山村 仁 脇田 佳典 横田 順一朗
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.51, no.8, pp.800-805, 2019-08-15 (Released:2020-10-26)
参考文献数
15

ST上昇型急性心筋梗塞(STEMI)の発症から再灌流療法までの時間を短縮するためには,病院前12誘導心電図記録の病院への事前伝達が有効であり,ガイドライン勧告がなされている.ガイドライン勧告の実践がなされているか救急隊による12誘導心電図記録と伝送の実態を把握するため,全国地域メディカルコントロール(MC)協議会251団体へのアンケート調査を実施した.回答率は96%で救急隊による12誘導心電計を搭載しているのは82%と高率であったが,全車両に搭載しているのは28%と低率であった.12誘導心電計を搭載している196団体のうち,電話による病院への事前伝達を行っているのは88%と高率であったが,伝送しているのは27%と低率であった.本アンケート結果から,ガイドライン勧告の実践を実現するためには,12誘導心電計の搭載とともに,地域MC協議会を中心とした救急隊と病院群との連携,プロトコル作成や心電図検証が必要であり,それには救急医とともに循環器医の地域MC協議会への関与が必要であると考えられる.