著者
甘利 航司
出版者
國學院大學
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本研究はGPS型電子監視を我が国で導入することについて検証したものである。もともと電子監視は80年代初頭にアメリカで登場した後、諸外国で実施されることとなった。その後、そのような原始的な電子監視の問題点を克服する、GPSを使用した電子監視が90年代中ごろにアメリカで登場した。そして、その電子監視は性犯罪者に対する24時間体制の監視を可能とした。GPS型電子監視は2000年代中ごろからアメリカの各州のみならず、諸外国で実施されることとなった。しかし、本研究は、実証的な分析により、性犯罪者の再犯防止効果はないことを示すものであり、性犯罪者対策として導入することに反対するものである。
著者
甘利 航司
出版者
國學院大學
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

性犯罪者を一定の場所に住まわせないという「居住制限」がある。しかし、対象者は居住場所を追われるだけであり、それが再犯防止効果をもたらすわけではない。そして、日本でも広く知られた、「登録・通知制度」がある。これは、対象者の居場所等を警察が把握し(登録制度)、場合によっては、その情報に一般の人がアクセスできるという制度である(通知制度)。しかし、この制度も同様に再犯防止効果がない。そこで、GPSを対象者に付加するという制度がある。これについては、再犯防止効果があるという実証研究と、そのようなものはないとする実証研究があり、今後の研究が必要な領域である。