著者
生月 誠 原野 広太郎 山口 正二
出版者
日本バイオフィードバック学会
雑誌
バイオフィードバック研究 (ISSN:03861856)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.1-4, 1987-06-14 (Released:2017-05-23)

安静時のSCLの値および弛緩訓練を負荷したSCLのバイオフィードバック訓練におけるSCLの変化過程が,被験者の神経症的な傾向をどの程度反映するのかを検証しようとした。その結果,神経症者で不安,恐怖を生訴とする群(B群)は,健常群(A群)および神経症者で強迫観念,強迫行為,心気症状を主訴とする群(C群)と比べて,SCLの値が高く,また弛緩訓練を負荷したバイオフィードバック訓練において,B群はA群およびC群よりもSCLが下降傾向を示した。
著者
生月 誠 田上 不二夫
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.425-430, 2003-12-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
11

本研究では, 視線恐怖を主訴とする被験者の, 視線恐怖軽減のメカニズムを解明することが目的である。実験1では, 言語反復を含むリラクセーションによる脱感作の手続きを, 実験2では, 拮抗動作法による脱感作の手続きを用いた。いずれも, 自己視線恐怖より, 他者視線恐怖の軽減に効果的であり, distractionが視線恐怖軽減の重要な要因となることが示唆された。また, 自己視線恐怖は自己の視線に関する独特の認知を伴っており, 認知変容のための手続きである自己教示訓練が効果的であったと考えられる。