著者
生田 啓記 井尻 朋人 鈴木 俊明
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.7-11, 2016 (Released:2016-03-05)
参考文献数
15
被引用文献数
5 2

〔目的〕膝関節屈曲角度が変化した際に膝関節伸展等尺性収縮における大腿四頭筋の筋活動の変化を明らかにすることとした.〔対象〕健常者10名の利き足とした.〔方法〕膝関節伸展等尺性収縮は膝関節0°,20°,60°,90°屈曲位にて実施した.強度は各角度における最大等尺性収縮の40%とした.筋電図測定は内側広筋斜頭(VMO),長頭,大腿直筋,外側広筋(VL)を記録し,筋電図積分値を求めた.各角度の値において0°の時の値で除した相対値にて比較した.〔結果〕膝関節90°屈曲位における相対値は,VMOでは20°,60°と比較して,VLでは,20°と比較して有意に高い値を示した.〔結語〕VMOの筋活動を促すには,膝関節90°屈曲位での運動が有効である可能性がある.
著者
生田 啓記 谷 万喜子 鈴木 俊明
出版者
一般社団法人 日本アスレティックトレーニング学会
雑誌
日本アスレティックトレーニング学会誌 (ISSN:24326623)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.117-123, 2017-03-31 (Released:2019-05-27)
参考文献数
16

膝関節における運動器疾患では内側広筋の筋緊張低下の改善に難渋する.本研究は循経取穴による鍼刺激が膝関節伸展運動時の大腿四頭筋の筋機能に与える効果を検討した.対象は健常者9名とした.課題は経穴刺激(太白穴),非経穴刺激,無刺激とし,膝関節伸展を膝関節屈曲60°,最大随意収縮60%での等尺性収縮で置鍼刺激開始前,開始直後,5分後,10分後,15分後で行い,内側広筋斜頭,内側広筋長頭,大腿直筋,外側広筋の表面筋電図を各3回5秒間計測した.経穴刺激群での内側広筋斜頭の筋電図積分値は,置鍼刺激15分後に有意な低下を認めた.太白穴を用いた鍼治療では置鍼15分後において内側広筋斜頭の疲労緩和と筋機能向上に対する効果がみられた.
著者
生田 啓記 谷 万喜子 鈴木 俊明
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.257-263, 2016 (Released:2016-11-22)
参考文献数
16

病変部位上を通る経絡の経穴を用いる循経取穴による鍼治療を筋緊張異常の改善に難渋する運動器疾患へ応用するため,太白穴への鍼刺激が大腿四頭筋の筋活動に与える影響を検討した。 対象は同意を得た健常者10名(平均年齢23.1歳)とし,膝関節伸展運動中に鍼刺激を実施した。運動課題は膝関節屈曲60°で最大随意収縮の40%等尺性収縮を鍼刺激前,直後,5分,10分,15分後に行った。鍼課題は太白穴,公孫穴,無刺激とした。課題中に内側広筋斜頭,内側広筋長頭,大腿直筋,外側広筋の筋電図積分値を求め,刺激前を基準値とした筋電図積分値相対値で比較した。太白穴刺激での内側広筋斜頭の筋電図積分値相対値は,無刺激と比較し15分後に有意に高値を示した(p < 0.05)。太白穴への置鍼15分後に内側広筋斜頭の筋電図積分値相対値が増加したことは目標のトルク発揮を行うために大きな筋活動が必要であったことから内側広筋斜頭の筋緊張を抑制したと考えた。