- 著者
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田中 励儀
- 出版者
- 日本文学協会
- 雑誌
- 日本文学 (ISSN:03869903)
- 巻号頁・発行日
- vol.60, no.11, pp.26-37, 2011
<p>昭和十四年、陸軍の要請を受けて著された、菊池寛『昭和の軍神 西住戦車長伝』は、通俗小説に堕すことを避けて、〈事実〉を資料に語らせる〈伝記小説〉の形を採った。それが歌舞伎や映画といった〈演劇〉的空間に移された時、それぞれのジャンルの特質から変貌を遂げる。〈小説〉的空間に属する原作と、菊池寛自身が書いた舞台脚本、他のライターが執筆したシナリオとを比較し、作家と戦争との関わりや、作品受容の実態を明らかにする。</p>