著者
村上 處直 佐土原 聡 田中 希代 浦川 豪
出版者
地域安全学会
雑誌
地域安全学会論文報告集
巻号頁・発行日
no.5, pp.147-154, 1995-11

【1. はじめに】 1990年11月17日にはじまった198年ぶりの雲仙普賢岳の噴火は1991年6月3日の大火砕流で多数の死傷者を出すなどの災害へと拡大した。その後も土石流が発生し、民家が倒壊、流失するなどの被害が続き、大勢が避難し、災害は長期に及んでいる。現在、砂防事業、河川の改修事業などが進められているが、完成には時間がかかり、住民は雨が降るたびに土石流に対する避難を余儀なくされている。幸い、1994、1995年現在まで土石流による被害はないが、住民の防災意識の低下が心配される。 【2、研究の目的、方法】 普賢岳災害時は、これまでの災害では余り見受けられなかった「長期化」という問題を抱えている。この長期化する災害の中、本研究では戸別訪問によるアンケート調査をおこない、住民側から見た避難計画への意見を求め、土石流に対する避難を円滑にするために、避難に関する住民の意識、行政の現状を把握し、今後の避難計画に役立てソフト面の充実をはかる。また、島原市の災害情報収集のメディアとして利用されている防災行政無線(戸別受信機)、及びCATVを分析、評価し、今後の災害情報収集におけるCATVの有効的な活用の可能性について方向性を示しハード面の充実もはかるものである。 【3. 分析・評価】 アンケート調査によって、既成の避難計画に対する問題点が数多く上がるとともに、住民への浸透もかなり低いことが明らかになった。行政側は、情報公開や公聴会などを開くことによって、住民と共に防災計画を作り上げるという姿勢を示すことが大切であると思われる。また、CATVは有効的に活用できるメディアであることも明らかになった.今後は、行政が介入し、CATVの持つ特徴を生かし災害時だけでなく、災害前期、後期において積極的に利用することが望まれる。