著者
田中 広美
出版者
一般社団法人 日本看護学教育学会
雑誌
日本看護学教育学会誌 (ISSN:09167536)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.13-23, 2018-11-01 (Released:2022-04-01)
参考文献数
43

〔目的〕対人関係におけるセルフモニタリングの概念分析を行い、定義を明確にすることを目的とする。〔方法〕Rodgersら(2000)の概念分析の手法を参考に、先行要件、属性、帰結、関連概念、定義を検討し分析した。〔結果〕30論文を分析した結果、先行要件は社会的特性、自己の内的特性の2カテゴリ、属性は観察、状況の察知、状況に対する行動の選択とコントロールの3カテゴリ、帰結は状況を見極めた行動、自己の内面的変化の2カテゴリが導き出された。〔結論〕本概念は、対人関係における自身の状況を、意図的にモニターする際の視点として有用であり、経験として蓄積し、実践知へ移行させ、看護実践の向上が可能と考える。
著者
大西 香代子 中原 純 北岡 和代 中野 正孝 大串 靖子 田中 広美 藤井 博英
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.4_101-4_107, 2012-09-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
29

倫理的悩みは,倫理的に正しい意思決定をしたが現実的な制約により実行できないときに生じる。本研究は,倫理的悩み尺度精神科版を用いて,人員配置や社会資源が異なる日本とイングランドの精神科看護者の倫理的悩みの程度と頻度を比較し,属性との関連を検討することを目的とする。 有効回答は日本289人,イングランド36人であった。両国の倫理的悩みの程度は,「同僚の非倫理的行為」「少ない職員配置」「権利侵害の黙認」のいずれの下位尺度においても有意差はなかった。一方,倫理的悩みの頻度では,いずれの下位尺度においても両国間で有意な差があり,日本の看護師のほうがより頻繁に倫理的悩みを体験していた。さらに,日本では年齢や経験年数は倫理的悩みに影響していなかったが,イングランドでは年齢や経験年数が高くなると倫理的悩みの程度も頻度も低くなっていた。