著者
大西 香代子 中原 純 北岡 和代 中野 正孝 大串 靖子 田中 広美 藤井 博英
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.4_101-4_107, 2012-09-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
29

倫理的悩みは,倫理的に正しい意思決定をしたが現実的な制約により実行できないときに生じる。本研究は,倫理的悩み尺度精神科版を用いて,人員配置や社会資源が異なる日本とイングランドの精神科看護者の倫理的悩みの程度と頻度を比較し,属性との関連を検討することを目的とする。 有効回答は日本289人,イングランド36人であった。両国の倫理的悩みの程度は,「同僚の非倫理的行為」「少ない職員配置」「権利侵害の黙認」のいずれの下位尺度においても有意差はなかった。一方,倫理的悩みの頻度では,いずれの下位尺度においても両国間で有意な差があり,日本の看護師のほうがより頻繁に倫理的悩みを体験していた。さらに,日本では年齢や経験年数は倫理的悩みに影響していなかったが,イングランドでは年齢や経験年数が高くなると倫理的悩みの程度も頻度も低くなっていた。
著者
桂 敏樹 野尻 雅美 中野 正孝
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.1-10, 1998-05-30
参考文献数
40
被引用文献数
1

健康的なライフスタイルを悪化させる出来事を明らかにするために地域住民を対象に健康習慣の総体であるライフスタイルに及ぼす生活上の出来事の影響力を比較検討した。<BR>多変量解析の結果, 以下のことが明らかになった。<BR>1. ライフスタイルと有意な関連が認められた出来事は夫婦喧嘩, 夫婦別居, 借金, 帰省, 親友の死, 浮気, 収入の変化, 会社の倒産等であった。<BR>健康なライフスタイルにする出来事は浮気, 解雇, 帰省などであった。一方, 不健康なライフスタイルにする出来事は夫婦別居, 夫婦喧嘩, 会社の倒産などであった。<BR>2. 性別にみると男性でライフスタイルと有意な関連が認められた出来事は帰省, 収入の減少, 夫婦喧嘩, 結婚, 親友の死, 浮気, 解雇, 借金であった。<BR>健康なライフスタイルにする出来事は解雇, 帰省, 浮気, 妊娠などで, 不健康なライフスタイルにする出来事は夫婦別居, 夫婦喧嘩などであった。<BR>一方, 女性でライフスタイルと有意な関連が認められた出来事は結婚, 個人的な成功であった。<BR>健康なライフスタイルにする出来事は個人的な成功, 離婚, 退職などで, 不健康なライフスタイルにする出来事は会社の倒産等, 配偶者の死, 夫婦喧嘩などであった。
著者
櫻井 しのぶ 小島 照子 小島 照子 中野 正孝 池田 浩子 櫻井 しのぶ
出版者
三重大学
雑誌
萌芽的研究
巻号頁・発行日
1999

平成11年度に行われた研究の結果、「女性」では、従来からの「女性性」を表現する言葉が多く挙がる一方で、「心・芯は強い」という従来には見られなかった女性性の概念が抽出された。また「男性」では、「たくましい」「強い」「頼りになる」等の、従来の「男性性」と一致した表現となっていた。しかし「女性」とは反対に「気が弱い」等の精神的な弱さを挙げた者も多く、これらの傾向は20代の対象者に強く見られた。これらを元に、平成12年度は、「看護」との関連性に焦点を当て調査した。分析した結果では、「看護」に対し、「優しい」「大変・しんどい」「強い・強い精神力」という項目が上位を占めた。さらに、「女性・女性中心の仕事」という項目も、対象者の10%が挙げていた。また、看護に対するイメージと「女性性」、「男性性」としてあげられた項目において、共通する言葉を分析したところ、「女性性」との共通の方が有意に高いことが確認できた。以上の結果から、一般の人々が抱いている「看護」に対するイメージは、従来の「女性」をイメージする「優しい」等と、新しい「女性」を表す「強い」というイメージの両方を持ち合わせていることが明確となった。看護教育を考える上で、「看護」と「女性性」というものが強く結びついていることを理解し、看護者は看護に対する伝統的な女性的役割である「やさしい」だけでなく、「頼りになる」「強い」という看護の側面も、社会的に要求されていることを事実として受け止めなければならない。以上の結果をもとに、現在論文を作成中である。
著者
柳井 晴夫 亀井 智子 中山 和弘 松谷 美和子 岩本 幹子 佐伯 圭一郎 副島 和彦 中野 正孝 中山 洋子 西田 みゆき 藤本 栄子 安ヶ平 伸枝 井上 智子 麻原 きよみ 井部 俊子 及川 郁子 大久保 暢子 小口 江美子 片岡 弥恵子 萱間 真美 鶴若 麻理 林 直子 廣瀬 清人 森 明子 奥 裕美 外崎 明子 伊藤 圭 荘島 宏二郎 植田 喜久子 太田 喜久子 中村 洋一 菅田 勝也 島津 明人 金城 芳秀 小林 康江 小山 眞理子 鶴田 恵子 佐藤 千史 志自岐 康子 鈴木 美和 高木 廣文 西川 浩昭 西山 悦子 野嶋 佐由美 水野 敏子 山本 武志 大熊 恵子 留目 宏美 石井 秀宗 大久保 智也 加納 尚美 工藤 真由美 佐々木 幾美 本田 彰子 隆 朋也 中村 知靖 吉田 千史 西出 りつ子 宮武 陽子 西崎 祐史 山野 泰彦 牛山 杏子 小泉 麗 大西 淳子 松本 文奈 鶴見 紘子
出版者
聖路加看護大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

近年、看護系大学の急増と医療の高度化に伴い、卒業までに取得すべき看護実践能力の評価の重要性が増加している。その一環として、臨地実習に入る直前の段階までに看護学生が取得すべき知識・能力を正しく評価しておくことは看護実習の適正化のための急務の課題である。このような状況に鑑み、申請者は、2008~2010年に科学研究費補助金を受け、看護系大学の学生が臨地実習以前に必要とされる知識・能力の有無を検証することを目的として、看護学18領域から約1500の多肢選択式形式の設問を作成し、730名の学生に紙筆形式のモニター試験、および、220名の学生に対するコンピュータ試験(CBT:Computer Based Testing)を実施し、その結果を比較し、全国看護系大学共用のコンピュータ試験の有用性を確認した。