著者
黒河 卓弘 吉松 和久 山内 将行 田中 衞
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.122, pp.71-76, 2010-07-05

本研究では,ボルトなどの緩みを検出し,緩んだ角度を計測できる,スパイラルインダクタを用いた安価なシステムの構築を提案する。スパイラルインダクタは,2枚重ねれば,その間に相互インダクタンスが生じる。よって,一方のスパイラルインダクタが回転すれば,スパイラルインダクタ間の相互インダクタンスが変化すると考えられる。そこで,スパイラルインダクタを用いたフィルタを構成し,相互インダクタンスの変化を利用すれば,回転角度が検出できると考えられる。
著者
池上 宗光 田中 衞
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.77, no.7, pp.954-964, 1994-07-25
被引用文献数
25

符号化において,もとの信号が自然画像のように近傍で強い相関をもっている場合には,より少ないビット数でもとの信号を表現できることが期待される.本論文では,送信側において局所的に相互接続された離散時間型セルラニューラルネットワーク(DTCNN)のダイナミックスによるA-D変換でアナログ画像をディジタル画像に符号化し,受信側でそのディジタル画像を低域フィルタに通すことによりもとのアナログ画像を復号する低ビットの符号化方式を提案する.本方式では,静止画像の符号化を原画像と復号画像間の誤差を最小化する最適化問題に帰着させ,符号化により発生する雑音を画像全体で抑えるようにひずみ関数を定義する.そして,ニューロンの出力を多値に拡張した多値ニューロンのダイナミックスにより高品質な復号画像を得るようにしている.本方式は,単純なデバイスから複雑な機能を実現する並列処理的なダイナミックスを用いているので,網膜のように光などでまとまって入力されたアナログ情報をリアルタイムにディジタル変換することが可能であると期待される.
著者
井上 雅友 渡邉 勇太 島田 達郎 山内 将行 田中 衞
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.547, pp.43-48, 2006-01-17
参考文献数
8

本論文では, 離散時間型セルラーニューラルネットワーク(DT-CNN)を利用し, 学習によって得られたデータをもとに時系列データの予測方法を提案している. 予測に用いられるモデルは連立微分方程式であり, その係数はDT-CNNの状態方程式の平衡解から得られる. 機械学習によって得られたAテンプレートは時系列が多系列になるにつれて密行列になる. そこで, ハウスホルダ変換(HHT)を用いてAテンプレートを3重対角化することにより疎行列にし計算の小規模化を実現している. 時系列データにはChua回路のカオスアトラクタを用いている. シミュレーション結果では, 本提案手法を用いて観測されたデータから十分にアトラクタの予測が可能であることを示している.
著者
竹之内 星矢 青森 久 大竹 敢 田中 衞 松田 一朗 伊東 晋
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.82, pp.69-73, 2010-06-11
参考文献数
11
被引用文献数
1

本論文では,画像毎の特徴に応じ適応的に処理を行うセルラニューラルネットワーク(CNN)を用いた階層的可逆符号化方式を提案する.提案方式は,画像の分割と予測に基づく方式であり,符号化性能は予測性能に大きく依存する.このため,予測を予測誤差を最小とする最適化問題に帰着させることにより,CNNによる最適な予測を実現している.また,画像の特徴に応じて,CNNのテンプレート形状を変化させ,予測性能の向上を図った.さらに,コンテクストモデリングを用いる算術符号化器を導入し,高い符号化効率を実現している.様々な画像に対し符号化を行い,提案方式の有効性を確認した.
著者
丹治 裕一 中口 俊哉 田中 衞
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.724, pp.73-78, 2003-03-10

本報告では,複数の定数領域をもった区分線形出力関数を有するセルラーニューラルネットワークを提案する.元来,セルラーニューラルネットワークは,2つの定数領域を有する区分線形出力関数によって構成され,その画像処理は,2値に限定されていた.それゆえ,本報告で提案する方式は,セルラーニューラルネットワークの可能性を拡大すると考えられる.ここで,安定性の議論及び基本的な回路構成が与えられる.また,ノイズヘの耐性を強化するために,ヒステリシス特性が出力関数に対して考慮される.