著者
竹之内 星矢 青森 久 大竹 敢 田中 衞 松田 一朗 伊東 晋
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.82, pp.69-73, 2010-06-11
参考文献数
11
被引用文献数
1

本論文では,画像毎の特徴に応じ適応的に処理を行うセルラニューラルネットワーク(CNN)を用いた階層的可逆符号化方式を提案する.提案方式は,画像の分割と予測に基づく方式であり,符号化性能は予測性能に大きく依存する.このため,予測を予測誤差を最小とする最適化問題に帰着させることにより,CNNによる最適な予測を実現している.また,画像の特徴に応じて,CNNのテンプレート形状を変化させ,予測性能の向上を図った.さらに,コンテクストモデリングを用いる算術符号化器を導入し,高い符号化効率を実現している.様々な画像に対し符号化を行い,提案方式の有効性を確認した.
著者
瀧澤 恵介 竹之内 星矢 青森 久 大竹 敢 田中 衛 松田 一朗 伊東 晋
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.106, pp.119-124, 2011-06-23

本稿では,Paricle Swarm Optimization(PSO)を用い,符号化レートを最小とするセルラーニューラルネットワーク(CNN)による画像予測器の教師付学習手法を提案する.提案手法では,従来予測誤差電力を最小化するよう設計されているCNNによる画像予測器をロスレス符号化性能向上のため,符号化レート最小化をPSOを用いた学習により実現している.特に,本方式で用いられているPSOは評価関数の勾配情報を利用しないため,CNNによる非線形予測器の学習に非常に効果的であると考えられる.様々な標準画像に対し符号化を行い,従来手法と比較し提案手法の有効性を確認した.
著者
松田 一朗 橋本 峻弥 須田 貴志 池田 悠 青森 久 伊東 晋
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J94-D, no.8, pp.1486-1495, 2011-08-01

本論文では,JPEG方式で記録されている静止画像のデータサイズを削減するため,画質を保持したまま再符号化する手法を提案する.JPEG方式は離散コサイン変換(DCT)を用いた非可逆符号化アルゴリズムを採用しており,符号化に伴う画質劣化はDCT係数の量子化ひずみによって生じる.したがって,JPEG画像データより抽出された量子化済みDCT係数を再量子化せずに可逆符号化することで,再符号化の前後で再生画像を完全に一致させることが可能となる.提案方式では,ブロック間の相関を利用したイントラ予測を導入するとともに,適応的な確率モデルに基づいた算術符号を用いることで,量子化済みDCT係数の効率的な可逆符号化を実現している.シミュレーション実験の結果,提案方式によって既存のJPEG画像データの符号化レートを19~33%削減できることを確認した.
著者
小畠 武 松田 一朗 青森 久 伊東 晋
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, no.32, pp.25-28, 2010-07-26

近年,現実のシーンにCG映像などの視覚情報を重畳して呈示する拡張現実感(Augmented Reality:AR)に関する研究が盛んである.本稿では,ARのためのインタラクティブな映像呈示法として,頭部搭載型プロジェクタから直方体の手持ちスクリーンに映像を投影するシステムについて検討する.直方体スクリーンの頂点には赤外線LEDによる不可視マーカが取り付けられており,これを頭部のカメラで撮影し,パーティクルフィルタに基づいた追跡アルゴリズムを適用することで,その位置および姿勢情報を推定する.その結果に応じてユーザの視点に対応したCG映像を生成し,スクリーン上に投影することにより,直方体内部の仮想物体を覗き込むような感覚をユーザに与えることが可能となる.