著者
重松 俊朗 田山 文隆
出版者
公益社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.320-323, 1991-09-01 (Released:2011-05-30)
参考文献数
6

神経伝達物質を使用するO. R. T法をもちいて督脈, 任脈のイメージングを施行した。督脈は下垂体 (ガバ), 任脈は下垂体 (アドレナリン) に反応した。督脈, 任脈の中枢は視床下核で, 大脳はブロードマン第46野であった。頭部における督脈, 任脈の交会穴は百会穴で, 陰部では男性は陰茎の後根部, 女子では陰核の後根部で交会していた。百会穴は外周円は下垂体に, 内周円は中心灰白質に反応し, 残りの内部の前半分が黒質に反応し, 後半分が肝臓に反応した。膀胱経は百会穴で交叉していないが, 後方 (絡却穴付近) より膀胱 (ガバ) 経の支脈が入っていた。百会穴より中心灰白質が斜前方へ走行し, 膀胱経と交叉していた。海馬の反応点は脳戸穴のすぐ下, すなわち外後頭隆起の下で, 周円は下垂体 (ガバ) で, 内部の上半分が延髄に反応し, 下半分が海馬に反応する。扁桃核の反応点は水溝 (人中) 穴よりやや上方の鼻下点で経穴の周囲は下垂体 (アドレナリン) で内部の上半分に扁桃核が反応し, 下半分は洞結節 (心包経) に反応する。
著者
百合野 公庸 徳富 康男 田山 文隆 無敵 剛介
出版者
公益社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.172-177, 1986-09-01 (Released:2011-05-30)
参考文献数
12

健康者に, 合谷―手三里鍼通電を行ない無侵襲計測法により末梢循環動態の経時的変化を追究した。循環動態諸量は, すべて増加傾向を認めた。すなわち, 最高の変化量 (mean±SE) は, 橈側皮静脈血流量156.25±40.81(%), 指先部毛細血管血流量112.4±9.14(%), 両側手掌深部体温 (右) 100.66±1.36(%), (左) 100.60±1.25(%), 1回拍出量116.33±11.57(%) であった。各最高値を示す時点は, 鍼通電後10~30分の間に認められた。1回拍出量の変化に関しては, 3.5%修飾ゼラチン溶液0.4ml/kg/minの急速輸液時の循環動態の変化に相当することが認められた。手掌深部体温の上昇は, 鍼通電後5~10分後に認められ両側性に認められることから, その中枢性機序が示唆された。