著者
田川 麻央 徳田 恵
出版者
明海大学複言語・複文化教育センター紀要編集委員会
雑誌
言語文化硏究 = Meikai Studies in Language and Culture
巻号頁・発行日
vol.1, pp.51-58, 2018-03-31

本研究では、日本語の文章作成能力の育成を目指す初年次教育において反転授業の導入の効果を検証した。2016年度前学期に履修した大学1年生82名を反転授業実践条件とし、ライティングプロセスを重視した文章作成の授業を実施した。反転授業を導入したのは文章構成、引用方法、図表の説明方法の三項目である。授業期間開始時と授業期間終了時の文章作成テストの成績、及び反転授業を導入しなかった年度の受講者87名を対照条件とし授業期間終了時の文章作成テストの成績を比べた。その結果、反転授業の導入によって授業期間開始時より終了時に成績が有意に伸びること、対照条件との差も示された。また、反転授業での事前課題の取り組み方と授業期間終了時における文章作成テストの成績に関連も見いだされた。以上より、初年次教育における文章作成に反転授業を導入することに一定の効果があることが明らかになった。
著者
田川麻央
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.151, pp.34-47, 2012 (Released:2017-02-17)
参考文献数
31

本研究は,要点探索活動と構造探索活動,その両方を促す要点構造探索活動と構造要点探索活動が日本語中級学習者の文章理解に及ぼす影響を検証した。協力者は,国内で高等教育機関への進学を目指す中級日本語学習者86名である。計画は要点探索群,構造探索群,要点構造探索群,構造要点探索群,統制群の一要因被験者間計画である。割り当てられた活動を行いながら因果型の説明文を読んだ後,筆記再生課題と正誤判断課題を行った。データは要点理解,全体構造理解,要点構造の理解の観点から分析した。結果は,要点理解で構造要点探索群が構造探索群や要点構造探索群,統制群より効果があった。全体構造理解には差がなかった。要点構造理解は,構造要点探索群と要点探索群が促進した。以上より中級学習者にとって全体構造の理解は容易ではないが,構造と要点の順番で両方を探索させることが要点理解と要点構造の2つの理解を促進させることが示唆された。