著者
砂山 渡 川口 俊明 田村 幸寛
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J93-D, no.10, pp.2032-2041, 2010-10-01

近年のインターネットの普及につれ,大学などの教育機関において電子レポートを提出する機会が増えてきている.手書きのレポートであれば,人間が目で見て採点する必要があるが,電子的なデータとして存在するレポートであれば,そのレポート内の単語情報を計算機が自動的に取り出すことができるため,採点支援環境の構築により,人間の負荷を軽減することが期待できる.実験や演習のレポート課題においては,その課題に即したレポート提出者の意見が含まれている必要がある.しかし,レポートの独自性だけではなく,課題に関連して記述されている情報量を評価対象とする必要がある.そこで本研究では,レポートの情報量を,「レポートの課題に対する結果,及び結果に対する自分の意見の記述量」として定義し,これをもとにした客観的な各レポートの情報量を提示することで,レポート評価者がレポートの比較を行うことができるシステムを提案する.評価実験の結果,レポートの長さのみによらず,レポートの内容による評価を支援することができた.