著者
豊川 修平 田村 英一 仕幸 英治 新庄 輝也 安藤 裕一郎 ラザロフ ヴラド 廣畑 貴文 白石 誠司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MR, 磁気記録 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.416, pp.29-32, 2013-01-18

C_<60>-Coグラニュラー薄膜はC_<60>マトリクス中に単磁区構造を持つCo微粒子が分散した構造をした超常磁性体である。これまで、C_<60>-Coグラニュラー薄膜の電気伝導特性や磁気輸送特性について、Co微粒子やC_<60>/Co界面に関する様々な研究がされてきた。それぞれのCo粒子は粒子の小ささ故に大きな帯電エネルギーを有しており、それよりエネルギーが低い電子の伝導を阻害する。これをクーロンブロッケード(CB)効果と呼ぶ。我々は、C_<60>-Coグラニュラー薄膜においてCBの外部磁場による閾値電圧のシフトとヒステリシスを観測し、低温で100万%を超える磁気抵抗効果を得た。この現象を反強磁性結合した二粒子ボトルネックモデルにより説明し、モデルの妥当性について磁化曲線の面から検証した。
著者
湯浅 新治 長浜 太郎 鈴木 義茂 田村 英一
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.38-42, 2003-01-05 (Released:2008-04-14)
参考文献数
14
被引用文献数
1

磁性金属多層膜や磁気トンネル接合の巨大な磁気抵抗効果などスピン偏極した伝導電子が引き起こす現象の発見により,固体中の電子の電荷とスピンの両方を利用した新しい分野であるスピントロニクスが急速な発展を見せている.本稿ではスピントロニクスの中心課題であるトンネル磁気抵抗効果(TMR効果)について解説し,スピン偏極共鳴トンネル効果に関する著者らの最近の研究を紹介する.