著者
岩崎 均史 小林 ふみ子 桑山 童奈 田沢 裕賀 大久保 純一
出版者
独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

浮世絵版画では、大小(摺物・暦)制作及びその交換で、明和二年の交換会により、錦絵と称される多色摺が完成することは定説である。だが、錦絵誕生期以外の大小に関して研究されたことはごく少ない。これは、まとまった大小の作品を見る機会を得ることが困難だったことに原因がある。本研究は、国内最大の貼込帖である東博蔵「大小類聚」の大小のデータ採取し、作品名(仮題は付与)・解読・翻刻・分析・分類・大小の特定などをまとめた目録とし、加えて本研究進行中に生じた新知見、情報も適宜加えたその有用性を発信することを目的としたデータベースを研究者に公開する。これにより研究者に不足していた情報が提供可能となり、大小の活用が図られる。現在までに完了した作業での主要データ採取項目は、①摺・写の判別:摺物(版画)が筆写を含む肉筆か、またはその混合かを判別。②作品名:文字のある場合はあるがままで採取、ない場合は課題付与。③画題特定:明確なもののみとし、推定はメモ程度にとどめる。④注文主特定:記名・印章などから判定。⑤絵師特定:落款・記名で判定、画派などの推定はメモ程度にとどめる。⑥印章等判読:印章や花王など、作品に何らか関係する人物のもののみ判読、⑦採寸確認:以前採寸したものと、異なるような場合再度採寸する(通常、縦×横㎝)。⑧大小の探索:大の月、小の月がどのように配されているか確認、貼込帖の表題年代との錯誤確認。⑨文字の翻刻:配された文字をあるがまま採取し翻刻。現在、全冊の仮データベースの入力をしつつ、データ内容の確認作業を行っている。早期にこの作業を継続終了させ、撮影された画像と合わせて、逐次共同研究者の手元に送信し、内容の確認と合わせ、各分野の専門的視点を加えた検証を加えていく。
著者
田沢 裕賀
出版者
東京国立博物館
雑誌
Museum (ISSN:00274003)
巻号頁・発行日
no.654, pp.25-35,3-6, 2015-02
著者
原田 一敏 松原 茂 神庭 信幸 澤田 むつ代 沖松 健次郎 和田 浩 小山 弓弦葉 行徳 真一郎 三浦 定俊 早川 康弘 若杉 準治 谷口 耕生 村重 寧 田沢 裕賀 小林 達朗 原田 一敏
出版者
独立行政法人国立博物館東京国立博物館
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

国宝・法隆寺献納宝物聖徳太子絵伝、全10面について場面内容の同定と描写内容の精査、当初の地である綾地の精査を行った。また高精細デジタル写真の撮影、1面ごとの合成を行い、あわせてX線フィルムをデジタル化し、同様に合成することにより、両者を対照可能なデータとする基本資料の作成を行った。
著者
井上 洋一 加島 勝 小林 牧 鈴木 みどり 白井 克也 神辺 知加 鷲塚 麻季 藤田 千織 鬼頭 智美 遠藤 楽子 田沢 裕賀 高梨 真行
出版者
独立行政法人国立文化財機構
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

アンケート調査に基づき抽出した国内外の主な博物館・美術館等における教育・普及事業の現地調査を通し、博物館教育・普及事業の現状と課題を明確化させた。また、国内外の博物館関係者らとの連携により、国の違いによる伝統と文化の多様性の意義を確認するとともに、そこから日本の伝統文化に関する先駆的教育・普及理論のあるべき姿を提示した。さらに、新たな古美術鑑賞法や実践的な博物館教育・普及プログラムを制作・実施した。