著者
井出 幸子 町田 吉彦 遠藤 広光
出版者
高知大学海洋生物教育研究センター
雑誌
Bulletin of marine sciences and fisheries, Kochi University (ISSN:03879763)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.1-35, 2003-12-29

A total of 187 bottom fish species belonging to 82 families from 19 orders were recorded from May 2001 to November 2002 at Susaki Fish Market facing Tosa Bay, southern Japan. Among them, two anguilliform fishes Evenchelys macrurus (Bleeker) and Myrophis microchir (Bleeker) are recorded here for the first time from Tosa Bay. Comparison between the present and previous records revealed that 41 species were newly recorded from off Susaki, though 51 previously recorded species from 1949 to 1960 were not confirmed in the present study. Change in the bottom fish faunae between the present and previous status off Susaki, and the differences of the present status off Susaki and other three localities along the coasts of Tosa Bay were discussed on the basis of coefficient of community.
著者
Jørgen G. Nielsen 町田 吉彦
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.1-5, 1985-05-30 (Released:2010-06-28)
参考文献数
10

ソコオクメウオ科のBarathronus maculatusミスジオクメウオ (新称) を再記載した.本種は南アフリカ産の1個体にもとづきShcherbachev (1976) により記載されて以来, 同地域から1個体の追加報告があるのみであったが, 本研究でマダガスカルから1個体, 日本から2個体が新たに追加された.本種は頭部から背鰭前部にかけてと体側が濃い褐色をおびること, 陰茎の基部の背腹側にそれをとりまくclasperがあること, 腹膜が青色をおびること, 陰茎の基部にbulbがないこと, 口蓋骨歯がないこと, 脊椎骨数が74~77個であることを特徴とする.本種の完模式標本を初めて図示するとともに, 本種の交接器の特徴について言及し, 近縁種についての若干の論議を行った.
著者
平松 亘 町田 吉彦
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.191-193, 1990-09-13 (Released:2010-06-28)
参考文献数
8

愛媛県南宇和郡御荘町の室手湾で, イソギンポ科のマダラギンポ (新称) Laiphognathus multimaculatusを採集した.標本 (雄1個体, 標準体長35.5mm) は, 水深約8mの転石上のカンザシゴカイ類の空の棲管から得られた.Laiphognathus (マダラギンポ属: 新称) は本種のみを含み, 近縁の属とは前・後鼻孔にそれぞれ皮弁が発達すること, 頭部の感覚孔数が多いことで容易に区別される.本標本の第7および第8背鰭棘は明らかに伸長しているが, これは本種に関しては未報告の雄の二次性徴と考えられる.新称は本種の体側の特徴的な斑紋に由来する.本種はこれまでインド洋と太平洋の熱帯域からのみ報告されているにすぎず, 本報告でより北方に分布することが確認された.