- 著者
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白鳥 千恵子
半澤 香子
三原 貴洋
川崎 るい
許 懷哲
明石 なつき
大塚 創平
木次 洋一
西尾 里志
- 出版者
- 一般社団法人 日本獣医麻酔外科学会
- 雑誌
- 日本獣医麻酔外科学雑誌 (ISSN:21896623)
- 巻号頁・発行日
- vol.51, no.2, pp.23-28, 2020 (Released:2020-11-02)
- 参考文献数
- 20
4年前に脾臓結節性過形成の自壊による脾摘歴がある11歳のラブラドール・レトリバーが、1週間前からの元気食欲低下と血尿を主訴に来院した。全身性炎症反応症候群(SIRS)と伴に腹腔内の多発性腫瘤が認められたため、試験開腹を行った。腫瘤は大網や腹壁に散在し、それらを摘出した後の病理検査では、全て異所性脾臓と診断された。術後は良好に回復した。SIRSの主因は化膿性炎症と思われ、感染源は泌尿生殖器と推定された。偶発的に発見された異所性脾臓は、過去の良性脾臓病変の自壊による後天性の脾症と考えられた。脾摘歴のある犬の腹腔内の多発性腫瘤においては、異所性脾臓の可能性も考慮すべきと思われた。