- 著者
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藤城 宏昭
益満 ゆかり
鈴木 政義
岡本 伸江
河合 初代
榊原 由美子
鈴木 宏
宮下 智子
天野 博子
渡邉 純子
- 出版者
- 一般社団法人 日本農村医学会
- 雑誌
- 日本農村医学会学術総会抄録集 (ISSN:18801749)
- 巻号頁・発行日
- vol.55, pp.378, 2006
<b><はじめに></b> 現在当院には、平成14年6月に設置されたStar Office(NEC製)と呼ばれるグループソフトウエアがある。しかし、現在に至っても多くの職員が使用方法を知らず、その機能も認知されていない。メールや掲示板、ファイル保存機能等を使いこなせば日常業務や情報伝達に非常に役立つツールである。そこでStar Office機能を全職員に周知し活用促進していく為にいくつかの検討をした。以下にその取り組みと考察を述べる。<BR><b><方法></b> 全職員を対象に取り組んでいくのは難しい為、今回はまず事務職員を対象に活用促進を徹底していくこととした。現状把握の為、事務職員にStar Officeの基本機能15項目についてアンケートを実施した。その操作が「できる」なら1点とし、全機能操作ができれば15点満点とした。5点までを初級、10点までを中級、11点以上を上級者として集計したところ54%と半数以上の事務職員が初級・中級者であった。また、過去のメールの送受信状況を調査したところメールを毎日確認し、受信したメールをその日に開封した事務職員は全体の41%と半数以下であった。<BR> 以上のことを踏まえ、上級者を100%にすると言う目標値をたて、アンケートに書かれたコメントを参考に重要要因を3点にしぼった。(1)「使い方を調べる分かりやすいマニュアルが無い」、(2)「機械に対する苦手意識がある」、(3)「機能や便利さが周知されていない。また身近に質問できる人もいない」これらの問題点についてそれぞれ対応策を考え実施した。(1)については、自分達で必要最小限の機能に限定したマニュアルを作成した。初心者が見ても分かりやすいようにワンステップごとに実際の操作画面を取り込み、コメントを添えた。これをカラー印刷し各部署に一冊配布した。またStar Officeの掲示板に保存し、必要時に誰でも見られるようにした。(2)_についてはゲーム感覚で機械に慣れ親しんでもらう為、メール機能を利用した伝言ゲームと言う形で実施した。事務職員をいくつかのグループに分け、提示した「お題」を基に一人が1行のあいうえお作文を作り、次の職員にメールを転送してもらった。苦手意識も薄れ楽しく操作してもらう事ができた。(3)については、作成したマニュアルを基にメンバーが講師となり勉強会を開催した。あわせて啓蒙活動も行った。特に初級レベルの職員は、非常によく理解できたと好評であった。<BR><b><結果></b> (1)から(3)の取り組みが一通り終了した後に再度15項目のアンケートを実施したところ、上級者は46%から71%と25%も上昇した。結果、目標値の上級者を100%にすることはできなかったものの、初級・中級者のStar Officeに対する機能操作の理解が得られた。またメールを毎日確認し、受信したメールをその日に開封している事務職員の数は41%から70%と約30%も上昇した。このことから情報の伝達手段としてメールを活用することが定着してきた。<BR><b><考察とまとめ></b> 3つの取り組みがそれぞれ効果的に働き、目標である「Star Officeの機能を周知し活用促進していく」事の第一歩を踏み出すことができた。この成功を踏まえ、今後は医師も含め全職員へ徹底周知していくと言う目標へ向けて継続的に活動をして行きたい。また定期的にマニュアルの更新、勉強会の開催もおこなって行きたいと考えている。