著者
相馬 悠人 車谷 麻緒
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.5, pp.22-00256, 2023 (Released:2023-05-20)
参考文献数
25

本論文では,既往の研究で著者らが構築した鉄筋コンクリートの破壊シミュレーション手法の妥当性および適用性を検証するため,鉄筋とコンクリート間の付着挙動を対象とし,実験結果と解析結果を比較した.付着性能の異なる丸鋼と異形鉄筋の引抜き試験を実施し,実験結果と解析結果を比較した結果,構成モデルや材料パラメータを変えることなく,鉄筋の幾何形状のモデル化を変えるだけで,それぞれの付着挙動を精度よく再現できることを示した.さらに,軸方向鉄筋に丸鋼および異形鉄筋を用いたRCはりの4点曲げ試験を実施し,実験結果と解析結果を比較することで,せん断破壊と曲げ破壊の異なる破壊モードを再現できることや,鉄筋周りの応力状態が異なる試験条件下においても鉄筋の付着挙動を再現できることを示した.
著者
車谷 麻緒 安藏 尚 相馬 悠人 岡崎 慎一郎
出版者
一般社団法人 日本計算工学会
雑誌
日本計算工学会論文集 (ISSN:13478826)
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.20190007, 2019-05-31 (Released:2019-05-31)
参考文献数
24

本論文では,損傷モデルを用いて,鉄筋コンクリート部材における腐食ひび割れ進展挙動を再現するためのモデル化を示し,2次元問題と3次元問題において,提案手法の妥当性および有効性を検証した.鉄筋の腐食膨張によって,コンクリートが押し出される挙動とひび割れが進展する挙動の両方を再現するために,損傷モデルにおいて,鉄筋の膨張方向の剛性を低下させないモデル化を導入した.2次元問題において,等方性の損傷モデルを適用した解析結果と比較することにより,腐食膨張する方向の剛性を低下させないモデル化の妥当性を検証した.3次元問題における検証例題では,既往の実験結果と同様のひび割れ進展挙動を再現することができ,また四面体要素を用いた詳細な3次元シミュレーションにも適用可能であることを示した.