著者
真辺 健太郎 遠藤 章
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.60, no.9, pp.375-384, 2011 (Released:2011-09-29)
参考文献数
26

改訂された放射性核種データICRP Publ.107(ICRP107)及び従来のデータICRP Publ.38(ICRP38)を使用し,放射性核種データの改訂が内部被ばく線量係数に及ぼす影響について調べた。ICRP107及びICRP38に基づく作業者の経口摂取に対する線量係数を計算した。計算は,内部被ばく線量計算コードDCALを使用し,774核種の876の化学形について行った。ICRP107に基づく線量係数が,ICRP38に基づく線量係数に比べて10%以上増加または減少した化学形の数は,それぞれ61及び28であった。経口摂取に対する線量係数が変化した主な原因は,先に報告した吸入摂取の場合と同様にエネルギーデータの変化であることがわかった。また,電子と光子のエネルギー割合,壊変様式及び半減期の変化も,線量係数の変化の原因であることも明らかになった。次に,経口摂取及び吸入摂取に対する線量係数が変化した程度と原因を比較した。その結果,電子と光子のエネルギー割合の変化は,吸入摂取に比べ経口摂取の方がより大きな影響を及ぼすことがわかった。一方,β線エネルギースペクトルの形状の変化は,吸入摂取に対する線量係数が変化した原因の一つであったが,経口摂取に対する線量係数には影響を及ぼさないことが明らかになった。
著者
真辺 健太郎 佐藤 薫 遠藤 章
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会 年会・大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2012, 2012

身長、体重、臓器質量について成人日本人男性の平均的値に調整されたファントムJM-103に基づく比吸収割合を用いて臓器線量及び実効線量に相当する量を計算するとともに、ICRPの成人男性リファレンスファントムICRP-AMに基づく線量と比較した。Cs-137の経口摂取では、ICRP-AMに対し、JM-103に基づく線量が10%大きいなど、核種によっては体格や臓器質量の違いが線量に影響を及ぼすことが明らかとなった。