著者
真部 孝明 大友 譲二
出版者
japan association of food preservation scientists
雑誌
食品と低温 (ISSN:02851385)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.113-117, 1984-11-20 (Released:2011-08-17)
参考文献数
5
被引用文献数
1

シュガータイプのスイートコーン “ハニー・バンタム・早生200” の性状と貯蔵に伴う品質変化を調べたところ, 次のような結果を得た。(1) 穂の各部位ごとの粒の性状を調べたところ, 頂部, 中央部および基部の3部位で, デンプン含量に差はなかったが, 水分は頂部に向う程多く, AISも頂部が多かった。1粒重は基部が最も大きく, ついで中央部であったが両部部位の差は余りなく, 頂部は両者の約1/2で小さかった。全糖は中央部が多かった。(2) 20個体を用いて, 水分, 全糖およびデンプン含量を測定し, これら3者間の相関を検定したところ, お互の間に有意の相関が認められなかった。(3) 午前6時, 12時および午後6時の3回に分けて収穫し, 全糖デンプン, AIS, 水分や硬度などを分析したところ, 収穫時間による差はほとんどなかった。(4) 貯蔵温度が低いと貯蔵中におけるデンプンの増加や全糖の減少は少なかったが, 室温 (25-30℃) でも1日後1%, 2日で1.5%程度の全糖の減少しかなく, 本品種は収穫後品質が劣化しにくい品種であることが分った。
著者
井上 興一 近藤 悟 真部 孝明 横田 弘司
出版者
Japanese Society of Agricultural Technology Management
雑誌
農業生産技術管理学会誌 (ISSN:13410156)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.1-7, 1996-10-01 (Released:2019-04-17)

水耕で栽培したレタスの根を種々の濃度を変えたCaCl_2およびCa(NO_3)_2の高濃度単一溶液に48時間浸し,葉部におけるCaおよびClあるいはNO_3の増加の有無を検討した。外葉および内葉のCa含有率は,処理溶液のCa濃度の増加に伴い増加し,この増加したCaの大部分は水溶性Caであった。葉部Ca含有率は,CaCl_2処理区においてCl含有率との間に,Ca(NO_3)_2処理区においてはNO_3含有率との間に1%レベルで有意の相関が認められた。硝酸カルシウムの処理は葉部Ca含量の増加に伴い,多量のNO_3も集積するので,本浸漬処理には不適当と判断された。また,処理液のCa濃度が40mM付近であれば葉部の萎凋や障害を発現させずにCa含有率を著しく増加させることが認められた。塩化カルシウム処理のCa40mM区の葉部Ca含有率は1.95gkg^<-1>・新鮮重であり,この値は対照区の(0.75gkg^<-1>・新鮮重)2.6倍であった。