著者
新村 裕
出版者
日本食品保蔵科学会
雑誌
食品と低温 (ISSN:02851385)
巻号頁・発行日
vol.9, no.3-4, pp.76-80, 1983-10-25 (Released:2011-05-20)
参考文献数
24
被引用文献数
1
著者
P.J. VELASCO J.R. WHITAKER A. CHEN J.R. HITAKER
出版者
日本食品保蔵科学会
雑誌
食品と低温 (ISSN:02851385)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2-3, pp.85-92, 1982-09-25 (Released:2011-05-20)
参考文献数
31
被引用文献数
1

ブランチングは野菜凍結の重要な前処理工程となっているが, これについての基礎的知識はまだ十分でないように思われる。今回これに関する次の3つの資料を訳出紹介する。(1) パーオキシダーゼ-その熱変性と再生について-(2) 食品中のカタラーゼ(3) 野菜ブランチングの必要性アメリカ冷凍食品協会 (AFFI) では, カリフォルニア大学デイビス分校 (U.C.D.) のJ.WHITAKER博士らに, 1980年9月来野菜のブランチングについて研究を委託している。その目的は, この問題に関与する酵素系についての知識を深め, 不活性化にもっとも適した方法を開発し, また酵素再活性化の重要さを知ることにあるという。ここに訳出した資料中, (1) および (2) は上記プロジェクトの一環としてAFFIに提出された報告である。また (3) は, 野菜のノーブランチング凍結について, かつてQ.F.F.誌上に解説されたもので, 興味ある関係資料として併せて要点を訳出したものである。大方の参考になれば幸いである。
著者
真部 孝明 大友 譲二
出版者
japan association of food preservation scientists
雑誌
食品と低温 (ISSN:02851385)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.113-117, 1984-11-20 (Released:2011-08-17)
参考文献数
5
被引用文献数
1

シュガータイプのスイートコーン “ハニー・バンタム・早生200” の性状と貯蔵に伴う品質変化を調べたところ, 次のような結果を得た。(1) 穂の各部位ごとの粒の性状を調べたところ, 頂部, 中央部および基部の3部位で, デンプン含量に差はなかったが, 水分は頂部に向う程多く, AISも頂部が多かった。1粒重は基部が最も大きく, ついで中央部であったが両部部位の差は余りなく, 頂部は両者の約1/2で小さかった。全糖は中央部が多かった。(2) 20個体を用いて, 水分, 全糖およびデンプン含量を測定し, これら3者間の相関を検定したところ, お互の間に有意の相関が認められなかった。(3) 午前6時, 12時および午後6時の3回に分けて収穫し, 全糖デンプン, AIS, 水分や硬度などを分析したところ, 収穫時間による差はほとんどなかった。(4) 貯蔵温度が低いと貯蔵中におけるデンプンの増加や全糖の減少は少なかったが, 室温 (25-30℃) でも1日後1%, 2日で1.5%程度の全糖の減少しかなく, 本品種は収穫後品質が劣化しにくい品種であることが分った。
著者
杉本 昌明
出版者
日本食品保蔵科学会
雑誌
食品と低温 (ISSN:02851385)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.137-142, 1986-11-29 (Released:2011-05-20)
参考文献数
28
被引用文献数
2
著者
田尻 尚士
出版者
日本食品保蔵科学会
雑誌
食品と低温 (ISSN:02851385)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.81-86, 1986
被引用文献数
1

オクラさく果の鮮度保持性にっき, 食品物性および成分消長の点から開花結実後6日のグリーンスター変種を用い検討した。さく果は緑色ネットと熱収縮ポリビニリデンコロライドフィルムでシュリンクパック包装を行い, 貯蔵温度は低温区として1, 5℃, 常温区は20℃, 中温区は10, 15℃, および凍結区として-20℃区を設定した。<BR>1. 食品物性<BR>針入度, 弾力度および粘性度とも低温貯蔵区および常温区において貯蔵5~41日で物性度は劣化し, さく果は "はり" を消失し, 萎稠軟化し腐敗へと進行し, 貯蔵限界日数は5~7日であった。中温区および凍結区ではこれらの現象は顕著に抑制され, 25日前後の貯蔵が可能となった。<BR>2. 色調<BR>食品物性の劣化と類似した傾向を呈し, 褐色化するが, 測定値と肉眼観測値では見かけ上より測定値が3日前後退色現象が早い。低温区では貯蔵限界日数は10日前後であり, 中温区では20日前後, 凍結区では30日間の貯蔵が可能であった。<BR>3. 総アスコルビン酸含有量の消失度<BR>食品物性の劣化より急速かつ高く, 低温区および常温区でこの傾向がとくに顕著であり, 貯蔵限界日数は5日前後であった。中温区, 凍結区では低下様相は緩慢で低下率はかなり抑制され貯蔵限界日数は25~30日となった。<BR>4. 総ペクチン含有量の消失度<BR>粘性度と極めて類似した傾向で低下した。食品物性度および総アスコルビン酸含有量の低下速度より低温区においては3~5日遅延された。中温区, 凍結区では貯蔵初期にやや低下率は高いが, 貯蔵10日以後はほとんど低下せず極めて安定した状態を呈し, 貯蔵限界日数は低温区で7~10日前後, 中温区, 凍結区で25~30日間の貯蔵が可能である。<BR>オクラさく果の鮮度保持性は貯蔵温度に大きく左右され, 適性貯蔵温度は10~15℃であり, 生食以外ペースト状などでの調理, 加工の大量利用では-20℃が良好である。低温貯蔵1~5℃および20℃では貯蔵初期より大きく品質は劣化し, 貯蔵限界日数は5~7日であった。<BR>本研究の概要は昭和60年9月の本会関西講演会において発表した。