著者
松原 篤 坂下 雅文 後藤 穣 川島 佳代子 松岡 伴和 近藤 悟 山田 武千代 竹野 幸夫 竹内 万彦 浦島 充佳 藤枝 重治 大久保 公裕
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.123, no.6, pp.485-490, 2020-06-20 (Released:2020-07-01)
参考文献数
6
被引用文献数
13 35

近年になり, スギ花粉症などのアレルギー性鼻炎の増加が指摘されている. 馬場らが中心となって1998年と2008年に全国の耳鼻咽喉科医師ならびにその家族を対象としたアンケートによる鼻アレルギー疫学調査が行われ, 有病率の推移が詳細に報告されている. 今回われわれは,前回の調査から11年後の2019年に同様の調査を行い, スギ花粉症, 通年性アレルギー性鼻炎ならびにスギ以外の花粉症の有病率を同定した. アレルギー性鼻炎全体の有病率は49.2%, スギ花粉症単独の有病率は38.8%と前回調査に比べ大きく増加していた. さらに10歳代でスギ花粉症が著明に増加していることも明らかとなった.
著者
井上 興一 近藤 悟 真部 孝明 横田 弘司
出版者
Japanese Society of Agricultural Technology Management
雑誌
農業生産技術管理学会誌 (ISSN:13410156)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.1-7, 1996-10-01 (Released:2019-04-17)

水耕で栽培したレタスの根を種々の濃度を変えたCaCl_2およびCa(NO_3)_2の高濃度単一溶液に48時間浸し,葉部におけるCaおよびClあるいはNO_3の増加の有無を検討した。外葉および内葉のCa含有率は,処理溶液のCa濃度の増加に伴い増加し,この増加したCaの大部分は水溶性Caであった。葉部Ca含有率は,CaCl_2処理区においてCl含有率との間に,Ca(NO_3)_2処理区においてはNO_3含有率との間に1%レベルで有意の相関が認められた。硝酸カルシウムの処理は葉部Ca含量の増加に伴い,多量のNO_3も集積するので,本浸漬処理には不適当と判断された。また,処理液のCa濃度が40mM付近であれば葉部の萎凋や障害を発現させずにCa含有率を著しく増加させることが認められた。塩化カルシウム処理のCa40mM区の葉部Ca含有率は1.95gkg^<-1>・新鮮重であり,この値は対照区の(0.75gkg^<-1>・新鮮重)2.6倍であった。
著者
近藤 悟 長谷川 光司 湯山 一郎
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.149-156, 2013-04-10 (Released:2013-09-10)
参考文献数
9

The frictional force between a fingertip and a flat surface of an object is not stable and changes each time. We measured the frictional force through rubbing on the surface of acryl plate by fingertip of forefinger of three men and eight women in life environment and reconfirmed that the frictional forces were not stable. Ten of eleven subjects succeeded to evaluate the difficulty to move the finger rubbing on the surface of the plate using a subjective rating scale method in five degrees. A subjective score revealed that the perceived interference was correlated to the magnitude of the frictional force between the finger and the surface. We recognized the sweat on the fingertip according to correlated value of the maximum coefficient of friction in the ten subjects though the sweat on the fingertip was not confirmed visually.
著者
早田 保義 田部 敏子 近藤 悟 井上 興一
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.67, no.5, pp.759-766, 1998-09-15 (Released:2008-01-31)
参考文献数
19
被引用文献数
7 13

土壌水分の異なる処理区を設け, 土壌水分の違いがミニトマトの生育, 特に果実の糖集積に及ぼす影響と糖集積の要因について調査した.灌水量を強く控えた強乾燥区(pF2.9)では, 葉や果実の水分含量が低下するとともに, 1株当たりの全乾物重が減少した.1株当たりの器官別乾物重の割合は, 強乾燥区で, 葉や根の割合が低下し, 果実の割合が高まる傾向がみられた.果実の糖含量は, 土壌水分を低下させるに従い増加した.組成別では, 全処理区でブドウ糖および果糖の割合が高く, ショ糖の割合が低かった.果実の水分含量は強乾燥区で低下するものの, その割合は小さく, 果実糖度上昇における濃縮効果の影響は, ミニトマトでは少ないと判断された.果実の全窒素および水溶性タンパク態窒素含量は多湿区が高く, 強乾燥区では低い値であり, 糖含量とは逆のパターンとなった.果実のデンプン含量は強乾燥区と多湿区で蓄積量に差はなく, 果実糖度の上昇との関連性が薄いと判断された.果実の食味を示す糖/酸比は, 土壌水分の抑制が強まるに従い, 高くなる傾向を示した.
著者
近藤 悟
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究技術計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.265-273, 1988

国や民間企業が将来の技術開発計画を立案する際には、今後の技術発展の方向を把握しておく必要があり、この技術発展の方向を予測する重要な活動がいわゆる「技術予測」である。この技術予測の手法にはいろいろなものが開発されている。ちなみに科学記述庁では、昭和46年以来、約5年ごとに「デルファイ法」により技術予測調査を実施してきており、昭和62年9月に第4回目の予測結果を発表した。この技術予測調査は世界でも類を見ない大規模なもので、国や民間企業での技術開発計画立案の羅針盤として期待されている。科学技術庁の今回の技術予測の特徴や読み方(企業の技術開発計画への活用等)については、いくつか報告がなされている。しかし、「デルファイ法」についての手法面からの分析はほとんどなされていないのが現状である。今後より有効な技術予測を実施して、その結果を技術開発計画に活用していくためには、手法面についても検討しておく必要がある。本論文では、特に予測された「実現時期」に着目して、実現時期やそのバラツキと回答特性との関連、高い信頼性が得られると思われる回答者数や予測期間、楽観的予測と悲観的予測との比較、繰返しアンケート調査の収れん効果等いくつかの面から、科学技術庁の技術予測調査結果を題材に、「デルファイ法」の手法に対する考察を試みた。
著者
近藤 悟 小川 猛志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.458, pp.493-498, 2009-02-24

近年、広帯域NWの普及に伴い、動画共有サイトを始めとするメディア系Webサービスの利用が拡大しており、ライフログやコンテクストアウェアサービスの分野においても映像、音声を用いたツールの研究が盛んに行われている。映像や音声などのメディアデータは非常に情報量の多いデータであるが、そのままでは単なる信号情報であるため、これまでに様々な意味情報を抽出する認識手法が提案されてきていた。しかし、これらの手法では教師付き学習が一般的に用いられており、そのための膨大な訓練データを人手で作成しなければならないことが問題であった。本稿では、上記の動画共有サイト上のメディアコンテンツとコメントを用いてメディアデータの特徴量を分類し、その分類毎にコメントの中に含まれる語との対応を取ることで、任意のメディアデータから適切にメタデータを抽出可能とする手法について提案する。
著者
近藤 悟 平井 伸博 菅谷 純子
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

リンゴ樹を供試し、光量条件が花芽形成に及ぼす影響を検討した。リンゴの花芽形成に関連する遺伝子として、幼若性に関連するMdTFL1および花形成に関連するMdFT1の発現について検討した。MdTFL1の発現は光量制限下で高くなった。この結果は、リンゴの花芽形成に及ぼす光量制限の影響はMdTFL1との関わりが強いことを示唆する。ブドウ樹を供試し、夜間における青色光あるいは赤色光LEDの照射が果実のアブシシン酸(ABA)代謝およびアントシアニン合成に及ぼす影響を検討した。夜間の赤色LED照射は内生ABA濃度に影響するが、必ずしもアントシアニン濃度とは一致しないこと、青色LED照射は内生ABAに及ぼす影響は大きくないものの、mybA1などアントシアニン合成に関連する遺伝子に影響することが示唆された。
著者
近藤 悟 Satoru Kondo
雑誌
人文論究 (ISSN:02866773)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.201-213, 2002-02-10
著者
中野 雄介 近藤 悟 森谷 高明 大西 浩行 赤埴 淳一 寺西 裕一 西尾 章治郎
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J94-D, no.5, pp.780-790, 2011-05-01

ネットワーク上の複数PCの計算リソースを用いるグリッドコンピューティングに関する研究が行われてきた.特に,Webブラウザを介して計算リソースを利用することで,より多くのPCの計算リソースを利用できる有効な手法がある.しかし,PCの負荷を考慮せずにリソースを利用するため,ユーザのWeb閲覧を妨げる可能性がある.加えて,計算対象がXMLのような複雑な構造をもち,問題分割の時間を考慮する必要がある場合,効率的に計算できないと考えられる.本論文ではこのような課題を解決する,Web閲覧者のPCの余剰リソースの効率的利用の手法を提案する.本手法はWebブラウザの負荷に応じて計算速度を動的に変化させることで,ブラウザユーザのWebページ閲覧に対する影響を考慮した計算を行う.これにより,Webアプリケーションを提供するために必要なリソースを,Webアプリケーションユーザ自身から収集することが可能となる.また,計算対象問題の分割に掛かる時間を考慮した効率的な問題の分配を実現する.
著者
近藤 悟 平井 信博 瀬戸 秀春
出版者
県立広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

植物体の生理活性物質であるアブシシン酸(ABA)およびジャスモン酸(JA)は環境ストレスに反応するストレスホルモンとして知られている。一般に6℃以下の低温は熱帯果実において貯蔵期間を延長するものの、果皮の褐色化などいわゆる低温障害の原因となり、著しく商品性を損なう。本研究では低温がABAおよびJA代謝、ABA合成経路の鍵酵素である9-シスエポキシカロチノイドジオキシゲナーゼ(NCED)遺伝子発現に及ぼす影響を検討した。低温ストレスはコントロール区に比較して、ABAの増加を誘導した。ABAおよびその代謝物であるファゼイン酸(PA)、ジヒドロファゼイン酸(DPA)およびそのエピ体であるepi-ジヒドロファゼイン酸(epi-DPA)は貯蔵日数とともに増加した。マンゴー果実において、ABAの主要代謝物はepi-DPAであった。JA濃度もまた、ABAと同様に低温貯蔵中、徐々に増加した。NCEDはカウピーより単離されているNCED遺伝子配列を基にディジェネレートプライマーを設計し、マンゴー果実のcDNAを鋳型として、RT-PCRにより遺伝子のクローニングを行った。本研究では1遺伝子を単離した。マンゴー果実からクローニングしたNCED遺伝子はカウピーおよびブドウ等と高い相同性を示した。低温ストレス下でのマンゴー果実におけるNCED遺伝子の発現を示す。NCEDの転写量はコントロール区の果実に比較し低温ストレス下で増加し、ABAの変化と一致した。以上の結果は低温ストレスは、ストレスシグナル物質としてのABAの増加を誘導するが、これはNCED遺伝子の発現増加に起因するものであることが推定される。
著者
弦間 洋 小松 春喜 伊東 卓爾 中野 幹夫 近藤 悟
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1997

暖地での高品質果実生産のための指針を得る目的で、果皮着色機構、成熟制御機構並びに分裂果等の障害発生機構の解明を行い、一定の成果が得られた。すなわち、リンゴ及びブドウ果実のアントシアニン生成経路の詳細な調査を基に、暖地産果実の色素発現生理の一部を解明することができた。例えば、ブドウ'巨峰'の場合、適地である長野産はアントシアニン含量が高く、暖地産のものは低含量であったが、熊本産はプロアントシニンやフラポノール含量が高く、前駆体のフラバノノールからアントシアニンに至る経路が高温によって阻害され、一方、和歌山、広島産ではこれらの含量が低く、フラパノノール合成以前の過程で阻害された可能性が推察された。ジャスモン酸アナログのn-プロピルジハイドロジャスモン酸(PDJ)とABA混用処理をベレゾーン以前に行うと、不適環境下での着色改善に効果があった。暖地リンゴの着色に及ぼす環境要因について、紫外線(UV)吸収及び透過フィルムで被袋し、さらに果実温を調節して検討したところ、低温(外気温より3〜4℃低い)によってアントシアニン畜積が認められ、内生ABA含量も増加する傾向にあった。しかし、UVの影響については明らかにし得なかった。リンゴ品種には貯蔵中に果皮に脂発生するものがあり、'つがる'果実で検討したところ暖地産(和歌山、熊本、広島)は'ふじ'同様着色は劣るが、適地産(秋田)に比べ脂上がりが少ないことが認められた。果実成熟にABAが関与することがオウトウ及びブドウ'ピオーネ'における消長から伺えた。すなわち、ブドウでは着色期前にs-ABAのピークが観察され、着色に勝る有核果で明らかに高い含量であった。また、種子で生産されたs-ABAは果皮ABA濃度を上昇させるが、t-ABAへの代謝はないことを明らかにした。モモの着色機構についても、無袋果が有袋果に着色が勝ることから直光型であることを認めた。さらに裂果障害を人為的に再現するため、葉の水ポテンシャルで-3.0MPa程度の乾燥処理を施したが裂果は起こらなかったものの、糖度が向上すること、フェノールの蓄積があることなどを認めた。これらの知見は暖地における品質改善への指針として利用できる。
著者
小林 進 落合 武徳 堀 誠司 鈴木 孝雄 清水 孝徳 軍司 祥雄 剣持 敬 島田 英昭 岡住 慎一 林 秀樹 西郷 健一 高山 亘 岩崎 好太郎 牧野 治文 松井 芳文 宮内 英聡 夏目 俊彦 伊藤 泰平 近藤 悟 平山 信夫 星野 敏彦 井上 雅仁 山本 重則 小川 真司 河野 陽一 一瀬 正治 吉田 英生 大沼 直躬 横須賀 収 今関 文夫 丸山 紀史 須永 雅彦 税所 宏光 篠塚 典弘 佐藤 二郎 西野 卓 中西 加寿也 志賀 英敏 織田 成人 平澤 博之 守田 文範 梁川 範幸 北原 宏 中村 裕義 北田 光一 古山 信明 菅野 治重 野村 文夫 内貴 恵子 斎藤 洋子 久保 悦子 倉山 富久子 田村 道子 酒巻 建夫 柏原 英彦 島津 元秀 田中 紘一
出版者
千葉大学
雑誌
千葉医学雑誌 (ISSN:03035476)
巻号頁・発行日
vol.76, no.5, pp.231-237, 2000-10-01
被引用文献数
1

今回,千葉大学医学部附属病院において,本県第1例目となるウイルソン病肝不全症例に対する生体部分肝移植の1例を実施したので報告する。症例(レシピエント)は13歳,男児であり,術前,凝固異常(HPT<35%)とともに,傾眠傾向を示していた。血液型はAB型,入院時の身長は176.0cm,体重は67.0kgであり,標準肝容積(SLV)=1273.6cm^3であった。ドナーは姉(異父)であり,血液型はA型(適合),身長は148.0cm,体重は50.0kgと比較的小柄であり,肝右葉の移植となった。術後は極めて良好な経過をたどり,肝機能は正常化(HPT>100%)し,術後72病日で退院となった。
著者
[タカ]林 久顯 柴原 敏夫 松田 陽介 福井 浩一 筈井 真哉 松村 康司 近藤 悟
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EE, 電子通信エネルギー技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.545, pp.31-36, 2001-01-09
被引用文献数
3

昼間の電力のピークカットや負荷平準化に使用するため、夜間の安い余剰電力を蓄電するサイクル長寿命の電力貯蔵用制御弁式据置鉛蓄電池を開発した。サイクル寿命性能の向上は、正極に耐腐食性格子合金と高密度活物質の採用、負極に充電性能を向上させる添加剤の採用、電池の横置き(極板水平方向)設置、新規リテーナの採用、充電条件の最適化等の新しい仕様を組み合わせることで達成した。開発した電池はサイクル寿命が2000サイクル以上(放電量70%、10HR、25℃)、充放電電力効率が87%という従来にない優れた特性を有している。今回開発した電池と双方向コンバータシステムを組合わせた電池電力貯蔵システムを開発し、モデルプラントとして100Kw及び400kWのシステムを弊社工場に設置した。現在、実証試験を行っている。今後さらに再生可能エネルギーの独立電源(風力発電・太陽光発電等)への適用を進めていく予定である。